くるむからゆるむコミュニケーション
前回はまちの一角でまちの人とまちの材料でカレーをつくるカレーキャラバンの活動について書いた。
今回はそのカレーキャラバンの隣に来ていた加藤研究室のゼミ生の活動の話。
カレーキャラバンと同じ1月27日(土)
カレーの味付けも一通り終わった頃に、3人の学生さんたちがリボンや包装紙などを乗せたカートを置いていた。
カレーキャラバンが始まったときには何もなかったその場所で何をしていたのか。
「あなたの持ち物包みます」
小さな看板にそれだけが書かれていた。他に説明はなく、okurumiesと書いた謎の看板が置いてあった。
加藤研究室では「まちに還すコミュニケーション」をテーマにフィールドワーク中心の活動を行なっているということは知っていた。
カレーキャラバンの横にいたこと、学生っぽいことから、彼女たちが加藤研究室(以下、カトケン)のゼミ生だということは分かった。
しかし、何をやっているのかはよく分からない。分からないなら聞いてみよう。
「カトケンの子ですよね?何やってるんですか?」
「あなたの持ち物をくるませてもらってます!ポケットに入っているものや持っているもの、なんでもくるみます!」
‥よく分からなかったw
とりあえず、持っていたリップクリームと武蔵美卒制展で貰った紙をくるんでもらうことにした。
「ありがとうございます!このリップクリームかわいいですね!なんのキャラクターでしたっけ?」
私の持ち物をくるみながらお話をする。くるんでもらったリップクリーム。恥ずかしながらアニメ「カードキャプターさくら」のケロちゃんの形をしたリップクリームだ。
東京駅で特設店をやっており、昔ハマっていたアニメだったため、2000円と高めだったが買ってしまったもの。
「そうなんですね〜!こっちの紙はなんですか?」
尋ねられるがままに武蔵美の卒制展に行った話をする。そこでやっと彼女たちがやっている活動が分かった。
「そのまちの人たちのお話を聞きたいと思ったんですけど、どうしたらいいかなと思って。まちの人が持っているものをくるむことで、くるんでいる間、そのモノについてのエピソードが聞けると思ったんです」
まんまと彼女たちの思うようにモノについてのエピソードを語ってしまったわけだ。
自分の持ち物がエピソードを語りながらくるまれていく。自分しか知らないことも、忘れていたそのモノについてのエピソードも。人と共有し、それが丁寧にくるまれていくことが、自分の持っているエピソードも大切に包まれていく気がした。
彼女たちのフィールドワークの様子や加藤研究室の活動が今日2/3〜2/5まで横浜のBUKATSUDOで行われる。
彼女たちがどんな人々に会い、どんなエピソードを聞いたのか。フィールドワーク展では他の展示も見ながら、さらに彼女たちの話を聞いてきたいと思う。