“買ったらいいものだった”でまわる世界
“買ったらいいものだった”でまわる世界に。
それは私が大好きな人が口癖のように大切にしていることだ。彼女は人一倍優しくて、人一倍弱々しくて、人一倍頑固だ。そんな彼女はメロンパンフェスという、いまや3,000人規模になるイベントを4年前に始めた。
40種以上のメロンパンが大集結!「メロンパンフェスティバル2017 in TOKYO」が開催。「メロンパンフェスティバル2017 in TOKYO」には、10種類以上のプレーンのメロンパンをはじめ、カレーメロンパンやキャベツメロンパンなどの変わり種まで、全部で約40種類のメロンパンが結集・・・ (livedoor news より)
メロンパンフェスはその名のとおり、メロンパンを売るイベントだ。ほかのサイトでも「国内最大のメロンパンのイベント」と紹介されてる。
でも、メロンパンフェスはただのメロンパンのイベントではない。実はコンゴ民主共和国の支援から始まったイベントだ。
スマホのバッテリーを長持ちするのに使用されるコルタンというレアメタルが、アフリカのコンゴ民主共和国で長引く紛争に大きな影響を与えている。
あなたが今、この記事を読んでいるのに使っているかもしれない、スマートフォンの部品だ。
でも、そんなことを言われたって紛争は身近に感じないし、スマホを使わない生活なんてもう無理だ。
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私たちのスマホのせいでこんなことに!なんて、声高々と言いたいわけではない。むしろ彼女は「罪悪感を与えたくない」と言う。
でも、なんとかしたいとも思ってる。
だから「買ったらいいものだった、でまわる世界」なのだ。自分たちの消費を考えられたらいいなと思うのだろう。
来てくれた人に購買意欲を煽るような売り方はしたくない。この商品は「ために」なるから買ってほしい、とも言いたくない。
欲しい人が、欲しい分だけ、買う。
そしてそれが良い循環のものだったら。
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こんなことを書くと「お前は物を売る大変さを分かってない」とか、「綺麗事すぎる」とか、「売り上げを売るならたくさん買ってもらった方が支援になる」とか。きっといろんな意見をもらうと思う。
でも、なにかやだれかの「ために」、他のなにかやだれかが嫌な気持ちになるのを少しでも避けたい。
だから、メロンパンフェスではコンゴのことを推さない。パンフレットに少しだけ書いてあるくらい。コンゴの支援になってることを知らない人は本当に知らない。
それでも、いつのまにか巻き込まれてる。
あなたの売り上げはコンゴに行っている。
知らなくてもいい。ただ、知ったらちょっぴり嬉しくなる。そんな世界観なんだよね。
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