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世界の家の窓から▶︎いと

最近、珍しくジャケ買いした本がある。
それがこちら。

私は動物に心を動かされるタイプではないのだが、真ん中にいるこの彼にはなぜかやられてしまった。(彼女だったらごめんね)。

書店の本棚で背表紙を見て、某テレビ番組『世界の車窓から』的な感じかしら、と手に取り、表紙を見、パラパラめくったらもうレジへ。
あっという間の出来事。

この本は、英語版「VIEW FROM MY WINDOW」の書籍をベースに、日本で独自に編集されたもの。

「VIEW FROM MY WINDOW」とは、コロナ禍初期、ベルギー人のグラフィックデザイナー、バーバラ・デュリオさんがFACEBOOK内に立ち上げたグループなのだそうだ。

自宅の窓からの風景を写した写真一枚に、状況を説明するコメントを添えて投稿する、というシンプルな趣旨で、人や家の中のものは写さない、というルールを徹底したものらしい。

寄せられた写真がもう、何しろ素敵なのだ。
立ち上げ人バーバラさんの写真は、ホームオフィスからの一枚。
添えられたコメントは、「私のホームオフィスより。小さな机、小さな窓、そして大きな物語!」。

ワンフレーズでこんなに素敵なコメント。
コロナ禍初期、私は世界とつながろうとしていただろうかと、もう遥か過去になってしまった数年前を思い出す。

表紙の彼(彼女?)は、スウェーデン・ウプサラの「モニカさん」のご自宅を覗いていたらしい。

この「彼」だけではない。
ボツワナに住んでいる人の家の窓からはゾウが、オーストラリアに住んでいる人の家の窓からはコアラが見えている。
そんな住環境あるのか。
あるのだな。

動物だけではなく、ブラジルの家の窓から海が見えれば、ブータンの家の窓からは山が見えるわけで、どれも写真としてとても魅力的なのだけど、それが誰かの家の窓から見える景色かと思うと、世界の広さがぐっと際立ち、鮮やかに見える。

添えられたコメントにもまた多くのドラマが。
都会から田舎に移った人の物語。
田舎から都会に出た人の物語。
結婚。
大切な人との別れ。

自宅の窓からの写真一枚に、こんなにも誰かの人生が詰まっているのかと思うと、胸がいっぱいになる。
その人は写真には写っていないのに、確かに存在を感じる不思議。

世界とのつながりが断絶されたあの時期、それでもつながろうとした多くの人の、思いの強さと純度が伝わるいい本でした。
(実は読了していない)。

皆さまの参加を心よりお待ちしております。
横浜読書会KURIBOOKSー好奇心を解き放とう
~参加者募集中~

【投稿者】いと

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