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猫年生まれ、猫座です▶アオイ

星座は辛うじて猫科ではあるんですがねえ…笑

こんにちは、2025年。
「『戦争と平和』読書会」のファシリテーターを務めて参りますアオイです。
今年もみなさま、何卒よろしくお願い致します。

さて今回はこちらの一冊をご紹介。

「猫語の教科書 著:ポール・ギャリコ/訳:灰島かり/写真:スザンヌ・サース」

ある日ギャリコの顔見知りの編集者の元に届けられた謎の暗号。
ギャリコの手に渡り、彼は暗号の解読を試みる。
タイプライターのキー配列をヒントに、これが暗号ではなく文章であることを解明したギャリコ。
それは、猫による猫に向けた猫生を全うするための指南書であった。
その衝撃的な内容とは…

「如何にして人間の家の乗っ取り、人間をしつけるか」

ここで少し、執筆者(猫)の来歴を紹介しておきましょう。
彼女は生後6週間にして母親を交通事故で亡くしてしまいます。
1週間ほどの野良の生活を経て人間の家の乗っ取りを決意。
居心地のいい家に入り込んだ彼女は、家主である人間のしつけにも成功します。
かくして、彼女は仲間の猫の勧めで本書を執筆するに至ります。

本書では主に以下の三点について、猫生経験豊富な母猫がこれから巣立って行く子猫に語りかけるような筆致で書かれています。

・支配対象である人間の分析
・人間を手玉にとる具体的な方法
・猫として弁えておくべきこと

読み進めていけば、猫飼いが「下僕」と呼ばれている理由に合点がいくでしょう。

また、写真家のスザンヌ・サースの手による、彼女の飼い猫ツィツァの姿態を魅力たっぷりに捉えた写真も本書には多数添えられています(表紙の猫様)。
はぁ、癒し…
因みに、状況証拠からこのツィツァが執筆者ではないかと推察されています。

私が考える本書の真髄は、猫の目線から見た人間評であると言うことです。
以下、本文より抜粋。

「男性はコツさえつかめば、操縦は簡単です」
「女たちはものすごく頭がいいから、けっして軽く見てはなりません」
「人間がいやな性質を身につけて、猫よりずっと劣った生き物になっちゃうのは、大人になってからの話」

う~ん、身につまされます…

終始一貫して辛口評価ですが、その穏やかな筆致からは人類に対する憐れみや慈悲深さすら感じられます。すみません、人間ってどうしようもない生き物なの。

お正月休みも終わり、明日から仕事初めという方も多いと思います。
人間社会で生きているといつの間にか汲々としちゃうけれども、時には人間の視点を離れて猫の目を借りて人間自身を客観視してみては?

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【投稿者】アオイ


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