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フィラメントドライヤをもうちょっと便利に.お手軽改造
乾燥剤と温度計を入れたい
去年の夏に3Dプリンタを買ったとき,一緒にフィラメントドライヤも買ったのですが特に吸湿らしい現象には遭遇せず,「ABSフィラメントは吸湿の問題はあまり発生しないのかな?」と思いながら単にスプールホルダ兼ケースとして使っていました.
そして先月,初めて吸湿による現象(発泡)に遭遇し,初めてフィラメントドライヤを動作させました.実際使ってみたら「乾燥剤とか温度計を入れておけたら便利そう.」と分かったので,お手軽に改造してみた紹介です.
使うもの
私が持っているフィラメントドライヤは,SUNLUのFilaDryer S1です.
これに,温湿度計と,シリカゲル乾燥剤を入れます.
![](https://assets.st-note.com/img/1664708304375-TrigLBDyr3.jpg?width=1200)
どこにどう設置しようか?
このFilaDryer S1は角張ったデザインでフィラメントスプールとの間に空間があるのでここを利用します.また,取り付けはネジや両面テープは面倒なので磁石で両面から挟む方法とします.
部品の製作
3D CADでこんな形に作成しました.円形に凹ませてある部分に磁石をはめ込んで使います.貫通穴があるのは磁石を外すとき反対から押すためです.
また,FilaDryer S1のフィラメント引き出し口からの空気の出入りを減らすため,ここを狭める部品も作成しました(右の部品を2つ使います).
![](https://assets.st-note.com/img/1664707044293-JN3MFxS9jY.png?width=1200)
3Dプリンタで出力し,こんな具合に出来上がりました.
![](https://assets.st-note.com/img/1664708734012-cIsBUU9bdC.jpg?width=1200)
これに磁石をはめ込みます.磁石は100円ショップに売っていた直径13㎜のネオジム磁石です.
![](https://assets.st-note.com/img/1664709113578-kwbfZ73HI6.jpg?width=1200)
FilaDryer S1の透明なフタの部分に取り付けて完成です.穴あけ加工などは無いのでとてもお手軽です.あと,乾燥剤の中の試薬(青から赤に変わる粒)の状態を外から確認できるのが素晴らしいところ.
![](https://assets.st-note.com/img/1664710361695-qZWM95cXw0.jpg?width=1200)
ついでに3Dプリンタ(Adventurer3X)の方にも同じ温湿度計を付けました.冬場は周りを覆って温度を調節したりするので,温度計があると便利です.
![](https://assets.st-note.com/img/1664710171636-fQp3VyOU3H.jpg?width=1200)
まとめ
フィラメントドライヤ(SUNLU FilaDryer S1)をお手軽に改造して,もうちょっと便利にしてみました.
乾燥剤をフィラメントドライヤ内に設置でき,加熱してフィラメントから抜いた水分や,外部から侵入した水分を取り除くことができるようになったのではと思います.また,温湿度計も取り付けて湿度の状態がだいたいわかるようになりました.
このフィラメントドライヤは防湿ボックスほど密閉性は良くないですが,だいたい1時間くらいで湿度36%くらいまで下がりました.これまで何も対策しなくても,やっと最近吸湿問題に遭遇した程度なので,これくらいで十分ではないかと.
![](https://assets.st-note.com/img/1664713683248-2iJLdIgN9e.jpg?width=1200)
フィラメントがたくさんあると管理が面倒なので,スプール1本使い切るまで交換せずに使っていて,フィラメントはいつも3Dプリンタにつながったままにしています.そのためフィラメントドライヤから出ている部分は吸湿していくわけですが,ABSフィラメントであるためか2週間に1回くらい使って消費していれば吸湿による造形不良は気にならない感じです.