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#03 突然逃げ出したあの日の記憶

どうも、不登校中学生の父親・栗ワッショイです。

さて、#01の記事に書いた通り、長男は小学校5年生の11月に転校し、年が明けて1月か2月から学校に通う事が出来なくなりました。
本人に理由を聞いても、はっきりとした答えは返ってきません。
きっと、自分でも理由は分からなかったのだと思います。

通っていた小学校は登校班というものがあり、家が近い人たちで班を作り、その班で揃って登校するというものです。
これ、埼玉県出身の僕は当たり前だったのですが、東京都出身の妻は「登校班てナニ?登校くらい自由にさせてよくない?」と言っておりました。育った環境によって当たり前は違うんだなぁ...と感じた瞬間でした。

我が家は学校から徒歩3分くらいの場所にあるります。登校班の集合場所も我が家のすぐそばです。
長男が学校に行けなくなって3日目か4日目の事でした。学校から近いので、担任の先生が朝、登校班の集合場所まで来てくれるので、一緒に行こうと言ってくれたのです。

その前日、家庭科の授業で使うものを長男と妻が一緒に買いに行き、忘れないように準備をしていました。
そして当日、登校班の集合場所まで、僕も長男と一緒に行くことにしました。ゴミ出しもしなければならなかったので、長男と2人で、集合場所までゴミ捨て場を経由して少し遠回りをして行きました。
もちろん、家庭科の授業で使うものも忘れずに持っていました。ゴミ捨て場まで、会話も普通で、なんか今日は普通に学校に行けそうだなぁという印象でした。
そして集合場所に近付くと、担任の先生が来てくれていました。

その瞬間です!

今まで笑いながら普通に喋っていた長男の顔から、急に笑顔が無くなりました。

物凄く違和感を感じながらも先生のところまで行き挨拶をします。長男は先生とは目を合わせず軽く挨拶をしていました。
先生は元気よく長男に声をかけていました。
それから先生と僕は、長男の家での様子など、少し2人で話をしていました。
その時、長男の挙動がおかしいなぁと思い、先生と話しながらも様子を見ていました。

そして、僕が一瞬目を離したその瞬間、長男は家に向かて走り出したのです!

僕はすぐに追いかけました。
幸い、長男は足が速くはないので、すぐに追いつくことが出来ました。
しかし、泣き崩れる長男。
何を聞いても、どんなに励ましても、泣いているだけで何も答えません。

これは困ったな。。。

仕事に行かなきゃいけないし、もう休ませても良いんだけど、僕が一緒にいながらも学校を休ませたとなると、妻になんて言われるだろう。。。
そんなことも考えました。

周りを見ると、担任の先生の姿がありません。
彼は一体、何をしに来たのだろうか?そして、どこに行ったのだろうか?
そんなことも気にしながら、その場所から動けない長男の隣で、ただただ時間だけが流れていきました。
そして、その前を、中学校に通う長女が通り過ぎて行きました。。。

それから何分後でしょうか?
時計を見ていないので正確な時間は分かりません。ただ、僕の中では果てしなく長い時間でした。
教頭先生がその場所に来てくれたのです。
「お父さんも仕事でしょ?あとは責任を持って対応するので、お父さんは会社に行って下さい。」と言ってくれたのです。
その言葉に少し安心しつつ、申し訳ない気持ちもありましたが、教頭先生にお任せして仕事に行くことにしました。

それから30分後くらいでしょうか。
僕の携帯電話が鳴りました。
表示されているのは、教頭先生の携帯番号です。
先程、分かれる前に、何かあった時のためにと携帯電話の番号を交換していました。

電話に出て話を聞くと、もうどうにもならないので家に帰そうとしたが、長男は家の鍵を持っていないので中に入れないとの事でした。
僕はそこから引き返し、長男を家の中に入れ、また仕事に向かいました。


この出来事が起こる前、妻が友達に相談をしていました。
妻の友達にはシングルマザーやシングルマザーから再婚をしている人が多いのです。
そのうちの一人は、うちの長男と同い年の男の子がいて、僕らよりも数年前に再婚をしていました。
その家庭では、再婚したばかりの頃、息子さんはわざと悪いことをやって新しいお父さんの反応を試していたそうです。そして、ある日、本気でお父さんが怒った時、息子さんはなんだか嬉しそうだったそうです。
それが事実なのかどうかは分かりませんが、奥さんからはそう見えたのです。

それを聞いた妻は、うちも絶対にそうだ!わざと悪いことをやって、どこまでやったら本気で怒ってくれるのかを試しているんだ!と言っていました。

実際、僕はまだ長男とちゃんと向き合う事は出来ていなかったのは事実です。もう小学校5年生ですし、僕には子どもを育てた経験もないし、甥っ子や姪っ子もおらず、子どもとどう接したら良いか分からないという状態でした。
あと、もう一つ言うと、僕は「怒ることは教育ではない」という持論があります。
良く、「怒ると叱るは違う!」なんて言葉も聞きますが、僕の中では怒るも叱るも一緒です。怒ったり叱ったりするのではなく、まず話を聞いて、どうしたら解決できるか一緒に考えるのが教育だと思っています。
まぁ、子育て経験がないから言える綺麗ごとかもしれませんけどね。。。

いずれにせよ、妻の言葉からは「あなたがしっかり怒ってくれれば解決するのに!」という心の声が聞こえてくるようでした。

けど、目の前で急に表情が変わり走って逃げだした息子を見たら、僕の事を試しているようにはまったく見えませんでした。
実際、僕の父親としての力不足も不登校の原因としてあるかもしれません。
けど、少なくともその時は、僕の事を試そうとしてとった行動だとは思えませんでした。

原因は1つではないし、色々なことが複雑に絡み合っていたのだと思います。
転校して環境に馴染めなかったのもあると思います。
突然、苗字が変わり、慣れ親しんだ家から新しい家に変わり、引っ越して知り合いが近くにいない環境になり、新しい学校に行き、今までと違う生活になり、心も体も疲れてしまい、ついていけなくなってしまったのかもしれません。
ひょっとしたら、先生や友達と合わなかったのかもしれません。

あれから3年以上が経過しました。
今でも原因は分かりませんが、今でも学校に行っていないのは事実です。


この後、長男は荒れた行動を取り始めるのですが、長くなったので、続きはまた後日。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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