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#09 後悔しかない、ブチ切れてしまったあの日の記憶・・・

どうも、不登校中学生の父、栗ワッショイです。
今日もお読みいただきありがとうございます。

このブログでは、4月から受験生になる不登校中学生の長男と、13歳差の次男の子育てを通して感じたこと、学んだことを発信していきます。

前回は、不登校になった長男に対してゲームの時間に制限をかけたことで、なんと、家出をするようになってしまったというエピソードを書かせてもらいました。
家の近所をさまよい歩くこともありましたし、車でも1時間近くかかる道のりを自転車で走り、引っ越す前に住んでいた団地まで行ったこともありました。

ほぼ毎日のように家出は続きました。仕事を終えて家に帰り、そして長男を探しに行くという日々が2週間くらい続きました。
正直、大変でしたよ。けど、長男はもっと苦しかったのだと思います。
小学校5年生で家出ですよ。できますか?
しかも2月です。お金をたくさん持っている訳でもないし、家出をしても寝泊りできる場所が見つかるかも分かりません。
それでも家出をするって、どんな気持ちだったのでしょうか?
学校だって、「行かない」のではなく「行けない」のです。恐らく、行けるなら行きたいという気持ちはあったと思います。それでも体が拒否反応を起こして行けないのです。
その結果、ゲームも制限されて、家でやることがない。頼れる友達も近くにはいないし、家族からも怒られる。近くに味方は誰もいない。

自分がそんな状況に追い込まれたら、果たしてどんな行動をしただろうか?
そんな事を考えると、僕は家出をした長男を怒ることは出来ませんでした。
そもそも、引っ越して転校させたのも親の都合。この家出の原因を作ったのは自分だという気持ちもありました。
妻からは、「悪いことしてるんだから怒ってよ」と言われたこともありました。
それでも、僕は怒ることは出来なかったし、怒ることはしませんでした。

それでも、1度だけ、長男の事を本気で怒ったことがあります。

家出が続き、親も疲れ果てていた時の事です。
長男は、メモ帳にこんな言葉を残していました。

「もう2度と楽しいことはできない...」

まだ小学校5年生です。
その時、一番楽しかったゲームに制限をかけたことで、かなり追い込まれていたのでしょう。
そんな長男は、母ちゃんに「死ね死ね死ね...」とメールを送ってきたこともありました。これはさすがに妻もショックだったようです。

壮絶な日々が続いていたので、妻からゲームの制限について相談されたことがありました。
「ゲーム中毒」とか「ゲーム脳」とか言われて問題視されていたのは、少し前の話です。長男が不登校になった頃は、「ゲーム中毒」や「ゲーム脳」という言葉は世の中に浸透していたけど、「そんなものはないない!」という先生も少なからず出てきていました。
逆に、「ゲームに制限をかけることは良くない」という先生もいました。

そして、その頃の長男に関しては、命の危機も感じていました。
2月に家出をして、誰にも発見されず野宿でもしたら、一晩で命を落とすことだってあり得ます。
楽しいことを禁止されて、誰も理解者がいなくて、最悪、自殺の可能性も否定はできない状況でした。

そんな状況になったらみなさんだったらどうしますか?


そこで、妻と話し合い、やりたい事はやらせてあげようという事になりました。
そんな時、長男がスマホを持って妻の元にやってきました。無言でスマホを突き出し、何かを訴えている様子です。

そうです、ロックを解除してゲームをやらせろと訴えていたのです。

これは良いチャンスだと思い、僕は長男に言いました。

「やりたい事はやらせてあげるから、何がやりたいのか、ちゃんと自分の言葉で言ってみな」

僕は、苦しんでいる長男に寄り添った良いお父さんになったつもりでした。
長男は喜んで、自分の言葉で「ゲームがやりたい」と言ってくれると思っていました。

しかし、そんなに甘くはありませんでした。。。
長男は何も言わず、スマホを突き出し続けます。

「やりたい事はやらせてあげたいと思ってるけど、言葉にしてくれないと分からない。だから、何がやりたいのか言いな。」
改めて伝えました。

それでも、長男は何も言いません。

「ゲームがやりたいならゲームがやりたいって言いなよ。無言でスマホを出されても、何がやりたいのかは分からないよ。」
ここまでかみ砕いて伝えました。
しかし、このあたりからは、僕もムキになっていたのだと思います。
自分の言葉で「ゲームがやりたい」と言ったらやらせてあげる。けど、自分から言うまでは絶対にやらせない!と、こちらも意地を張ってしまっていました。

そんなやり取りが続き、結局、長男は何も言わず、最終的には泣きながら2階の自分の部屋に逃げていきました。

僕は、長男の味方のつもりでした。
けど、言葉では言わないまでも、明らかにスマホのゲームをやりたい事は分かっていながら、言葉にするまではやらせない。
それは、長男からしたら敵だったのでしょう。やりたい事が分かっているのにやらせないわけですからね。

どうしたらいいのかなぁ...と考えていると、自分の部屋に逃げていった長男が、2階からまた階段を下りてくる音が聞こえました。
いよいよ、自分の言葉で「ゲームをやらせろ!」と言ってくるのかなと思ったら、長男は自分の部屋から持ってきたメダルやらスパーボールやらを全力で投げつけて、また自分の部屋に戻っていきました。

その瞬間、長男の味方になっていると勘違いしていた父ちゃんはキレてしまいました...

ブチ切れて長男の部屋に行くと、なんと、長男はドアの内側にたくさんの荷物を置き、バリケードを張っていたのです。この時、とっさにやった訳ではなく、事前に準備をしていた様子でした。
今、冷静に考えると、その長男の行動は凄いなと思います。
けど、ブチ切れいている僕はそんなのお構いなしに、力尽くでバリケードをぶち壊し、長男を1階まで引きずりおろしました。
まだ小学校5年生には力で負けません。全力て抵抗する長男を力でねじ伏せてしまいました...その時の長男の恐れている顔は、今でも脳裏に焼き付いています。。。

ブチ切れている僕と、本気で泣きじゃくっている長男を見て、妻もヤバいと思ったのでしょう。
その後、「ちょっと散歩に行こうか」と言って長男と一緒に外に出て行きました。


そこで、どんな会話があったのかは知りません。
知りませんが、妻も長男も苦しい想いをしていたと思います。

僕は、妻と長男がいなくなった家の中で冷静になり、物凄い罪悪感に襲われていました。
僕が勝手にイメージした良い父ちゃんを演じ、そのイメージ通りにいかなかったらブチ切れる。。。これは最低の人間ですよね。。。。。
これでは何も解決しない。むしろ、余計に恐怖心を与えてしまったかもしれない。
どんなに反省しても、取り返しのつかない軽率な行動をしてしまった事は、今でも罪悪感として残っています。


この日をきっかけに、日中のゲームの制限は解除されました。
最初は夜のゲームは時間を制限していたし、一気にすべてが解決した訳ではありません。
それでも、昼間のゲーム制限解除により、家出をすることはなりました。
あれから3年になりますが、不登校は継続していますが、それ以降、家出をすることはなくなりました。

これが正解だったのかどうかは分かりません。
今はゲームの時間も一切制限していないので、夜な夜な友達とオンラインゲームをやり、昼頃に起きてくるという生活が習慣になっています。
当然、学校にも行けていません。そんな長男に対して、不安の気持ちがある事は事実です。

それでも、きっと本人も苦しんでいるし、この経験が糧となり、いずれ伸びてくるのだと信じるしかありません。
そして、今までの経験から、親であっても子どもの人生をコントロールすることは出来ないのだという事を学びました。
自分の価値観を押し付けることは、決して子どもの為にはならない。それはむしろ、親の自己満足の行動。
子どもであっても一人の人間として尊重し、親の都合を押し付けるのでなく、全力で受け入れる姿勢が大切なのだと思いました。


そんな長男も、いよいよ4月から中学校3年生になります。
受験をするのかどうかはまだ分かりませんが、人生の大きな分岐点の1つを迎えます。
親として、彼が将来的に自立できるよう、しっかりとサポートをしていきたいと改めて決意しました!

これから彼がどんな行動をしていくのか、このブログで発信していきたいと思います!

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます!

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