栗ご飯@大学教員

50代の地方大学教員。生き物系。 自分が、思ったこと考えたことを書き残しておきます。

栗ご飯@大学教員

50代の地方大学教員。生き物系。 自分が、思ったこと考えたことを書き残しておきます。

最近の記事

「議論と人格否定は違う!」は違う?

よくある話として、「議論と人格否定は違う」という話があります。 「自分の意見を否定されても、それは人格を否定されたわけではない」という話です。だから、言われたほうもへこまなくてもよいし、議論をするときも意見や内容について是々非々で議論をせよ、みたいな話になります。 否定する側もこの論理を使います。「私は、あなたのことを否定しているわけではないよ。議論の中で、意見が異なっただけなんだ」と。 わからないでもありません。私も学生同士がディスカッションをする前には、上記のような

    • 小中学校で教員不足なのに、なぜ教員を増やすことができないのか?

      小学校と中学校で、教員が不足していることが問題になっています。 以下に詳しいことが読みやすく書いてあります。 上記で十分なので、蛇足かもしれませんが、ここでは財政面について、もう少し詳しく述べようと思います。 2つの「教員不足」教員不足には、2つの意味があります。 1つは、「本来いるべき教員数がいない」という点です。これについては、試験を受ける人数が減っていたり、臨時でなれる教員(後述する、臨時採用教員)が減っていたり、臨時で休む人がいたり(産休、精神疾患)するためです

      • 公立の小中校の先生の給与はどこから出ているか?

        まず、小学校と中学校の先生の給与を誰が払っているかというと、おおざっぱに言えば、国が1/3で、都道府県が2/3です。 これを義務教育費国庫負担制度といいます。 国が負担する理由は、地方自治体ごとに任せてしまうと、お金がある自治体とそうでない自治体で差が出てしまうので、そうならないようにするためです。ちなみにこの制度自体いろいろと議論になる制度です。検索すると論文がたくさん見つかります。 そしてこの比率ですが、かつては国と都道府県が1/2ずつでした。ですが、地方に自由裁量

        • 小中校の先生は、本当に保守的なのか? 

          しばしば「先生は保守的だ」「学校は保守的だ」「いつまで立っても変わらない」というようなことが言われます。たとえば、ICT教育が必要だと言われても、なかなか進んでいるようには見えません。 では、学校、特に小学校や中学校の先生は、本当に保守的なのでしょうか? まず先に、保守的という言葉を確認しておきます。次のような意味で用います。 現状を維持しようとする 変化を恐れる 当然ながら、先生と言ってもいろいろな人がいます。学校改革をビシバシ進めようとする保守的でない人、もいま

          大学教員は、週にどれくらいの時間を授業に費やしているか?

          大学の現状を伝えるために書いておきます。 まあ、そうでなくても同職の他人の情報や、あるいは自分と全く違う職業の人の話は面白いものですから。 結論をいえば、国立大学教授で、週に10時間前後です。ただし、そう簡単な話でもありません。 日本全体のデータ大規模な調査結果としては、以下に令和4年度の結果があります。 https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kyouin/kekka/k_detail/1395309_00005.ht

          大学教員は、週にどれくらいの時間を授業に費やしているか?

          とりあえず、はじめてみます

          他の方の記事を見て、いろいろ参考になることがあって、自分の経験や考えが、誰かのお役に立てるかもしれないと思って、書き始めます。 一方で、自分が思っていても、立場上、外に出せないこともあって、それも書き出します。

          とりあえず、はじめてみます