伊勢金比羅参宮日記(18) 京都2
3月21日(53日目) 大徳寺・壬生・東寺
天気吉、早朝黒門へ。
誓願寺の福井丹波守様(福井楓亭の長子(榕亭):医の宗家)を訪ねる。昨年5月中近江守(丹波守の長子:医師:従四位)が亡くなり、子息は21歳であるという。
そこから帰りかけ途中に連中に合う。雲林院に行く。名前だけで見どころはない。
大徳寺座敷拝見、妙なり。ただし400文。
金閣寺、北野天神(北野天満宮)、壬生寺、但し壬生踊り(壬生狂言)あり一見。
そこから東寺大師様参詣。人多し。そして島原(日本で初めての公許の花街)一見。今日は一年一日のもん日であり、その賑わいは言語同断なり。
そこから伏見稲荷の御旅処(神社の祭礼に神輿が本宮から渡御して仮にとどまるところ:おたびどころ)に至る。御輿5つあり。五穀を表しているということを聞いた。
西本願寺参詣した後に帰宅。
三ヶ津、花に見立候発句
(口ずさみ)
戯に志るす
吉原 杜若(かきつばた)
水ぎわが、もしよふ、ざます杜若。
新町 牡丹
仰山に、開きておます、牡丹かな。
島原 桜
此艶は、外にゃありゃせん、八重桜
3月22日(54日目) 牧善助に会う
早朝、聖護院村に行く。そこから両替町二条上りのところの牧善助(儒家)を尋ねる。そこから帰宅。
清水に行き磁器を求める。
3月23日(55日目) 銭屋萬兵衛に会う
天気吉、新烏丸の池田氏を訪ねる。そこから梅辻(漢詩人:梅辻春樵)あわせて梅室(桜井梅室:俳人)を訪ねる。
寺町通りで出て買物。銭屋萬兵衛に逢う。
夕刻、牧氏に行く。今夜、池田伊織来る。