栗生祐太郎

某鉄道会社にて入社当初から非鉄道部門に所属し高架下や駅周辺などの沿線開発に携わる。20…

栗生祐太郎

某鉄道会社にて入社当初から非鉄道部門に所属し高架下や駅周辺などの沿線開発に携わる。2016年に某商社に出向しフィリピンで海外不動産開発の担当者として渡比。2019年より復職し、東南アジアを中心とした複合都市開発の担当者として各国を練り歩き中。

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  • 働く哲学

    仕事や働き方に関する考え方についてまとめています。少しオールドタイプ的な考え方も知れませんが極力普遍的なことを書いています。

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「タコツボ」の限界

タコツボは、それぞれに孤立したツボが1本の網で並列的に連なっている。 日本の文化や社会組織は、タコツボ化していると揶揄されるが、これは一言でいえば「あらゆるものがタコツボのように孤立して存在し、相互の関わり合いがない」状態ということだ。 そして、ある一つの仕事しかできない状態を「タコツボ的生き方」と呼ぶ。 このような生き方をしていると、視野が狭くなり、自分のパートしか見えなくなる。 だが、このタコツボ的生き方は外から邪魔されず、自分の仕事に打ち込むことができるので非常に

    • ランドパワーのシーパワーへの挑戦

      シーパワーとランドパワーは基本的に海洋国家と大陸国家の力という地政学的な概念があるということを別の記事で述べた。 ただ、これは軍事的な分類だけではなく、思想的分類にも通ずる。 例えば、アメリカでは共和党と民主党という思想の違う2大政党が鬩ぎ合っているが、これはシーパワーとランドパワーの戦いと言い換えることができる。 アメリカはヨーロッパの貧困層が土地を求めてアメリカ大陸に渡り植民地化されたという歴史があり、この歴史的背景が両党の争いに大きく影響している。 1845年〜

      • シーパワーとランドパワーという概念

        世界で今起きていることを見るときに、地政学的な視点を取り入れるとその騒動の目的や原因が面白いほどよく分かる。 地政学(geopolitics)は、地球(Geo)と政治学(Politics)を掛け合わせた合成語で、国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える学問のことを言う。 「地政学的に…」と口走る人がたまにいるが、たいていの場合その国の位置(Geo)のことのみを指しているだけで政治的(Politics)な要素を含まずに使われているケースが多い。

        • 日本は独立国と言えるのか。GHQ占領時代と日本国憲法の成り立ちから考える。

          日本は独立国と言えるのか。 それを議論するためにはまず日米関係の歴史を知っておく必要がある。 日本は、なぜアメリカと戦争をしたのか。 この問いに即答できる日本人は意外と少ないし、1941年12月8日に発布された昭和天皇の「開戦の詔書(かいせんのしょうしょ)」アメリカに対する宣戦布告を読んだことのある日本人も少ないだろう。 このアメリカとの開戦については解釈や諸説がいくつもあるので詳細は避けるが、1931年の満州事変から始まった日中戦争、1940年のドイツ・イタリアとの三国

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        「タコツボ」の限界

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        記事

          バブル経済発生を深掘りするといろいろなことが見えてくる

          今、中国を始め、世界各国で大手不動産関連企業の破綻が続いている。 中国では恒大集団(エバーグランデ)が事実上破綻したし、欧米では、オーストリアの大手不動産企業、シグナ・ホールディングスが破綻を申請した。 オフィス市場はコロナ禍を機に空室率の上昇と賃料の低下、商業市場は世界的な需要不足とeコマースの台頭による新規物件の需要低下、住宅市場は供給過剰、さらには世界的な金利上昇、建材価格の上昇など不動産市況を取り巻く環境は厳しい。 海外の大手不動産企業の経営悪化、デフォルトリスク

          バブル経済発生を深掘りするといろいろなことが見えてくる

          米国経済の今とリセッションに関する考察

          最近の米国銀行破綻やリストラ計画などのニュースを読むとどうやら今、米国の銀行にはお金が無いようだ。 これは恐らく、銀行預金からMMF(Money Market Fund)に大量の資金が流入していることが原因なのだろう。 今、銀行預金から株式市場に資金が流れている。 最近の米国株式の株高に加え、MMFの金利が銀行預金より高いことを考えればこの流れは当然のことだ。 僕だって今、金融資産の半分以上は現金ではなく株式になっている。 2023年3月起きたシリコンバレーバンクの破

          米国経済の今とリセッションに関する考察

          2023年11月時点の米国経済に関する考察

          米国経済にリセッションの大きな波が迫っている。 最近の米国のニュースは景気回復、力強い消費といったニュースをよく見かけるがその裏側で細々とリセッションを裏付ける内容が散見される。 米国の大手住宅情報サイトZillowでは米国の住宅市場がこれまでに無いほど高騰しているため、今住宅を買うと損益分岐点まで13.5年はかかると言っていて、米国の住宅価格はまだまだ高騰を続けている。 これはいつ価格崩壊を迎えるのか、そしてその時、米国経済に何が起きるのか。 2023年11月6日、米

          2023年11月時点の米国経済に関する考察

          母乳と発達障害の関係性

          最近、子供の多動性や発育障害について悩みを抱えている親が急増している。 この原因には発達障害に関する認知が広がったとか、認定基準が下げられたといった理由が挙げられているが、体感的にも発達障害を疑うような子供や大人との出会いが増えてきたのを感じる。 「発達障害」は、ADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)など、複数の障害の総称で厚生労働省も「発達障害」について「生まれつき脳の一部の機能に障害がある症状」と定めている。 これが世間一般

          母乳と発達障害の関係性

          仕事や組織は肥大する? パーキンソンの法則について

          英国の海軍歴史学者であり政治学者でもあるシリル・ノースコート・パーキンソン(1909-1993)は英国の行政組織(役所)を研究して「役所の仕事量や支出は膨張し、組織は肥大していく」という「パーキンソンの法則」を発見した。 パーキンソンは役人(公務員)の数が仕事の量や難易度に関わらず増え続け、毎年のように増税が続く環境に疑問を持ち、役所の観察を始めた。 すると「部下を増やしたがる」、「お互いに仕事を作りあう」といった役所の習性を発見した。 また、税収額に関わらず年度初に決

          仕事や組織は肥大する? パーキンソンの法則について

          人生は壮大な暇つぶしという話

          生きている意味を考えたことはあるだろうか。 究極的に言えば、動物や植物がそこに存在する大きな理由がないのと同じように、人が生きていることに実は大きな意味はない。 だが、なぜ人はしばしば「生きている意味」について考えるのか。 それは人生に膨大な暇時間があるからだ。 人はその膨大な暇時間をありとあらゆることで潰しながら生きている。 そして、その暇を潰すうちの何かが「生きている意味」となる。 「自分は毎日忙しく動いているから暇なんて無い」という人はそもそもその『忙しく動い

          人生は壮大な暇つぶしという話

          人の行動原理と道徳について考える

          自分が嫌いだと思っている相手は、大抵の場合、相手も自分のこと好いていない。 嫌いな人に行う言動の端々には負の感情が現れ、相手に伝わってしまうものだ。 同じように経営者が社員に対して悪意をもっていれば社員も経営者に対して悪意を持つようになる。 悪意を持っている人々は悪意の対象である相手に悪事を行うことを厭わなくなる。 悪意を持った社員はまず、会社の為に頑張ろうという意欲を失い、組織の道徳心が破壊され、人々はいがみ合い、良い働きが職場からなくなり、行きつく先は組織の破綻だ。

          人の行動原理と道徳について考える

          人の気持ちは分からないものだがせめて二割を理解することが大事

          医学博士で作家の渡辺淳一の小説は、自らの札幌医大整形外科に医師として勤務していた経験に基づく描写が迫真に満ちていて、そのリアルな内容が多くの読者を惹きつける。 彼はある雑誌の特集で、ガンの手術を受けた外科医の友人の『自身が手術を受ける側になったとき初めて患者の苦しみが分かった。何気なく"頑張れ"なんて言っていたが、切られる方は、まさに死ぬ思いなんだな。』という発言による気づきを語っている。 患者の本当の苦しみは自分が患者にならなければわからないように、人の苦しみや哀しみは

          人の気持ちは分からないものだがせめて二割を理解することが大事

          才能と脳内物質の関係

          シカゴ大学の教育心理学者であるベンジャミン・ブルーム博士は長年にわたって一流の芸術家やスポーツ選手、学者らなどの卓越や特例的な成績に関係してくるような成果を出した例外的な才能に関する調査を行った。 その調査は、ピアニスト、テニスプレーヤー、彫刻家、数学者、神経科医などさまざまな分野で世界のトップクラスに数えられる人々に密着し、大規模なチームを組成して綿密に行われた。 ブルーム博士とその調査チームは、こういった一流の人々が、なぜ高い成果を達成できるようになったのかを調査した

          才能と脳内物質の関係

          「貿易と無縁の国」がある

          自分がまだ社会人なりたての頃「世界で唯一、貿易とは縁の無い国はどこか?」と聞かれ、「そんな国あるか」と答えて自分の無知を晒した事がある。 この質問の答えは米国だった。 だが、当時米国は貿易してないどころか巨額の貿易赤字を抱え、日本や中国と貿易摩擦を起こしていることを連日ニュースで目にしていたので、若き日の自分はこのクイズの意味が分からなかったが、ポイントは「貿易とは無縁」という聞き方だ。 ドルは国際通貨の中で中心的な地位を占める基軸通貨とされているので、米国は相手がどの

          「貿易と無縁の国」がある

          徳川家康に学ぶ新規事業を立ち上げる時の心構え

          「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。」(徳川家康) この世の中は、自分の思うとおりにはいかない事の方が多い。 うまくいかないと人は、景気が悪い、人材がいない、予算が少ない、政治が悪い・・・と外部環境のせいにしがちだ。 だ

          徳川家康に学ぶ新規事業を立ち上げる時の心構え

          アルゼンチンは裕福国だった?

          日本人がアルゼンチンに抱くイメージは、サッカーが強いということぐらいじゃないだろうか。 もう少し言えば、酪農が盛んだとかワインが有名だとかが挙がるかもしれないが、何れにせよ経済的にも決して裕福ではなくあまり特徴が無いパッとしない国というものだろう。 だが、この日本人には縁遠い国が20世紀初頭、世界トップクラスの経済大国だったことを知る人は少ない。 実はアルゼンチンは、大自然に恵まれ、世界遺産も数多くある世界でも人気な観光国の一つなのだ。 アルゼンチン経済の歴史は、勉強して

          アルゼンチンは裕福国だった?