保育園選びのポイント-保護者編②
前回は、保育園を見学するときに、簡単にチェックできるポイントを書きました。
今回は、簡単なポイントについて、少し補足をします。
(2021年6月15日掲載を再編集しました)
入園を決めたポイント
以前に、保護者様に、「園を決めたポイントはなんですか?」とアンケートをしたことがあります。もっとも多かったのが、
『家からの距離(通いやすさを含む)』
でした。幼稚園などでは、送迎バスがあるため、距離よりも教育方針で選ぶ傾向があるようですが、保育園の場合は、通勤時の送迎の利便性を優先することが窺えます。しかし、近いだけで選んではいません。しっかりと園見学をされていて、皆さん3~4園は見学されていました。昔は、近所の保育園は、1~2園しかなく、選ぶというよりは、預かってもらうと言う認識だったのではないでしょうか。
現在は、近所の保育園も多くなり、少しでも良い保育園を選びたいとの保護者様の気持ちが伝わってきます。そのなかで、「家からの距離」の次に多い ”決めたポイント” が、
『園の雰囲気(保育士の雰囲気含む)』
でした。見学の時に、保育士のみなさんが、「明るく挨拶をしてくれる」とか、「元気に保育をしている」などが影響しているようです。
園の雰囲気だけで選ぶのは危険
前回のブログでも書きましたが、お客様がいらしたときに、挨拶をするのは基本です。多少の差はでますが、そのポイントを重視して選ぶのはお薦めできません。なぜならば、大人には愛想がよいのに、こどもには厳しい保育士さんを多く見てきているからです。
ある園で実際にあった、ある先生のお話しです。
その先生のクラスでは、こどもに厳しすぎて、こどもが先生の顔色を見るような状況がありました。この先生の基準では、
先生の言うことを聞く子が「良い子」
だったのです。本部からも、「こどもの主体性」について話をしに行きました。しかし本人は、
「自分の考える保育は違う」
「大人の言うことを聞かない子は悪い大人になってしまう」
との考えから抜け出せませんでした。なぜ、その先生が変われなかったか、その理由は先生が退職してからわかりました。その先生の退職後に、クラスの保護者様からクレームが届いたのです。
あの先生のおかげで、うちの子は聞き分けの良い、「良い子」になったんです。こどもも、先生にとてもなついていました。私たちへも優しかった、あんなに良い先生を辞めさせるなんて、ひどい!
クラスの保護者様からは、親の言うことをよく聞く、「 良い子 」になったと評判が良かったそうです。そのため、自分の保育に対して、誤った自信を持っていたのです。その先生は自分に、” なついた ” ように見せるため、こどもに厳しく指導(恐怖で支配)していたのにです。
同僚の保育士たちも、その状況を見かねて、なんどもその先生に ”保育とはなにか” を説明をしていました。しかし、そのことを保護者様に伝えるわけにはいかないのです。結局は、その先生が辞めてしばらくすると、こどもたちは、活き活きと生活するようになり保護者様より感謝の言葉を頂きました。
実は、似たような事例は多いのです。そして、いくつもの園を改善をしてきました。保護者様から見えるのは、保育の一面になります。なおさらですが、園見学で本当の姿を見ることは難しいため、雰囲気で判断をすることはともて危険なのです。
選ぶポイントは【保育の質】
園の雰囲気はとても大切な要素です。しかし、
雰囲気が良いから「=良い保育園」
とは限りません。保育士さんたちの雰囲気、遊んでいるこどもたちの雰囲気、それらは大切なポイントの一つですが、決めるためのポイントではないのです。現在の保育園では、こどもの主体性など、「見えにくい部分(=非認知能力)」の育ちを大切にしています。そのため、園を見学するさいは、前回のブログで書きましたポイントを参考に、雰囲気はもちろんのこと、【 保育の質 】を確認してみてください。
次回は、今までのポイントの整理と補足を書いてみます。
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