見出し画像

結局、ホントのタコスが食べたくなっただけ

料理の稿です。

前回、レタスでタコス具材を包んだタコレタスなるものをつくって、食べていきまして。
で。本日。
まぁ、……分かってたことではありました。
そりゃ……。
食べたくなりますよ。
ホントウの、「タコス」が!

というわけで。
結局、自分の欲望には抗えず。
作ることを決意した。今日は、そんなお話です。



導入


タコスという料理の一番ダメなところは、ウマすぎて一度食べたらすぐ後日、食べたくなってしまうことです。
そして、中途半端に野菜っぽいタコスを食べたせいで、かえって本格タコスへの食欲の扉が開いてしまった。これはよくある過ちの一つです。

あー。なんかまた、タコス食べたいなぁ。
そうぼんやりと考えていた午前11時。気がついたら私はスーパーへ向かっておりました。欲望に負け、人生に負け。そしてまた今日、タコスに負ける。
そろえた材料は、こちら。またしてもパクチーは売ってなかったので(市の中央の、巨大スーパーに行ったにもかかわらず。しかし、希望はあった。スペースは割かれていた。しかし売り切れであった)、今回は乾燥スパイスでやっていきます。

これに、家にあったタマネギ、ピーマン、醤油、サラダオイル、米酢、タバスコ、コンソメが加わります。

左端に不穏なものが映っているのに、お気づきいただけたでしょうか。
そう。
またしても今回、トルティーヤを作る手間をショートカットする、いわば「ズル」を思いついてしまいました。

餃子の、皮。
大判餃子の皮って、要はトルティーヤじゃね?
そう気づいてしまったのです。
なので今回も、本格といえど偽物。餃子の皮でタコスを作って参ります!
(まぁ前回、餃子の皮や春巻の皮で代用出来るかな? という伏線は張っておりましたが)

ともあれ。
試してみるにしくはありません。
今回作るのは、タコスの中でも王道中の王道、正中線に位置する、めちゃめちゃめんどくさいタコス。
「カルニタス」
です!

まだ導入――カルニタスとは

カルニタス、というと聞き覚えのない方ももしかしたらいらっしゃるかも知れません。
これは、スパイス風豚角煮のタコスなのです。
スパイスの風味をつけて、トマトなどを入れ柔らかく煮込んだ豚を、手で裂き、細かくしてタコスミートとするのです。
とにかく、めちゃくちゃうまい。それだけは言えます。誰でも、一口食べたら好きになる味。それがカルニタスです。

では以下、作り方です。
(※なお、注意です。後の行程で、調理にハンドミキサー、もしくはミキサーを使用する箇所があります。作ろうと思ってる方は……いないとは思いますが、もしおられたなら、その点ご了承ください)

材料(2~3人前)


≪タコスミート 具材群≫
豚かたまり肉 300g
たまねぎ 大半分
にんにく 1かけ

≪タコスミート 調味料群≫
トマトジュース 100cc
オレンジジュース 100cc
コーラ 100cc
塩胡椒 5~6振り しっかりめに
醤油 大さじ1
クミン 2振り
オレガノ 2振り
タイム 2本くらい
コンソメ 1かけ
ラード (※豚肉がバラ肉でない場合、必要に応じて)少し

≪サルサ・ヴェルデ 具材群≫
きゅうり 1本
ピーマン 1こ
たまねぎ 大半分
にんにく 1かけ

≪サルサ・ヴェルデ 調味料群≫
鷹の爪 1本
米酢 50cc
水 150cc
塩 2つまみ
サラダオイル 小さじ1
タバスコ 好きなだけ

≪サルサ・メヒカーナ 具材群≫
トマト 大1こ
たまねぎ 大1/4

≪サルサ・メヒカーナ 調味料群≫
レモン 1/4こ(ここでは、シークワーサーの絞り汁を流用しています)
タバスコ 好きなだけ
パクチースパイス 好きなだけ

≪トルティーヤ≫
餃子の皮 大判30枚入 1袋

≪トッピング≫
たまねぎ 大1こ
タバスコ 好きなだけ
レモン 好きなだけ

作り方 ――タコスミート(カルニタス)編


まずは肉の部分から作っていきます。
ここが一番、仕込みに時間がかかるところです。
が、煮込み時間中、大きく時間が空くので、この間に他の作業ができます。

まず、豚かたまり肉を、ラードをしいたフライパンで全面焼いていきます。

事前に全面に塩胡椒を振ってから焼いていきます

この間に、にんにく1かけをみじん切り、たまねぎ半分を薄切りにしておきます。

ある程度大きくても、煮崩すので問題なし

ある程度肉が焼けたら……

全面このくらい焼く けっこう時間かかります

空の圧力鍋に移し、フライパンに残った油でにんにくとたまねぎを炒めていきます。

香味野菜炒めるの図 肉の塩胡椒味が残ってるので、ここでは入れない

炒めている間に、マリネ液(というか、肉の煮込み液)を作ります。

タコスミート 調味料群のうち、スパイスを入れたとこだけしか撮れていなかったという失態

ボウルにスパイスを入れ……というか、タコスミート 調味料群を全部入れてよく混ぜます。
そして、その液体を、にんにくと玉ねぎを炒めていたフライパンに全部入れます。ボウルの底、スパイスが残っているので、ゴムべらなどで綺麗にさらって入れ込みます。
(※別にボウルに取らなくても、フライパンに都度入れていってもいいです。自分はスパイスなんかの入れ忘れを防ぐためにこうしてます)

なぜ一度フライパンに入れるかというと、「油」を全部使いたいからです
今回のカルニタスは、油が大事な調味料です バラ肉の場合は少し捨ててもいいかもですが、ももやロースなど、脂身の少ない部位を使った場合は、余さず油を入れ込みます

一煮立ちしたら、こんどはフライパンの中の全部の液体、具材を、さっき豚肉を入れた圧力鍋の中に流し込みます。

トマトジュースとコーラ、オレンジジュースの水分だけで、煮汁としては十分な量となってます アク?! そんなの、気にしたら負けです

そこへ、タイムをきざんで同じく鍋に入れます。
(タイムだけは生があったので、嬉々として買いました)

ですが、タイム、なかなか包丁では刻めないくらい固いです。はさみでみじんにしましょう

蓋をして、加圧調理(最大加圧で1時間から1時間20分程度)していきます。
(※ここで、次行程のサルサやトルティーヤ、トッピングの準備をしていくと、時間が有効に使えます。が、あくまでここでは連続してカルニタスの行程を続けた、とします)

肉を煮込み終わったら、汁と肉に分けます。

汁は再びフライパンへイン

肉はまな板の上で、細かく包丁で刻んでいきます。

冷めていたら手で裂いてもいいのですが、出来たてはたいへん熱いので、包丁が吉 肉も手でおさえず、ヘラなどでおさえましょう

フライパンの液の中に肉を戻し、汁気が飛ぶまで蓋をせず強めの中火で煮ていきます

肉を入れたばかりの状態 これが……


このくらい。ヘラで通して道ができるくらいになればできあがり

出来たら器に盛り、ラップなどをしておきます。

作り方 ――サルサ・ヴェルデ編

同じ名前のものがイタリアンにもありますが、あれとはまったく違います。ググったとき、イタリアンパセリとアンチョビが具材で紹介されていたらそれはイタリアンのサルサ・ヴェルデです。注意しましょう。

まずはきゅうり、ピーマン、たまねぎ、にんにく、鷹の爪を準備します。

例によって、にんにくと鷹の爪を並べるのを忘れています

これらは、最終的にミキサーにかけるので荒く切っておけば大丈夫です。

後から思い出して、にんにくと鷹の爪を処理しました、の図

ここから加熱調理に入ります。
「ピーマン以外」を、サラダオイルをしいた鍋に入れて炒めていきます。

ピーマンは、青臭さと苦みも大切な味として使うので、生のままです

にんにくから香りが出たら、塩と酢と水を足し……

お酢イン

きゅうりの緑がくすむまでおよそ10分程度、煮込んでいきます

もうちょっときゅうりの緑がくすんできます この絵でだいたい八割くらいの出来

煮込み終わったら、器に入れ、ピーマンを足します。

ピーマン入れーの

そして、ハンドミキサーでどろどろにしていきます。

一人暮らしのおっさんがバーミックスを持っているという恐怖

出来たら器に入れ、ラップをして冷やしておきます。


作り方 ――サルサ・メヒカーナ編

前回も作った、サルサ・メヒカーナです。
本当は本格を気取って、サルサ・ロハを作りたかったのですが、もういいかげんこのへんでクソめんどくさくなったので、簡単にサルサ・メヒカーナで許してもらおうと自分に許しを請いました。

作り方は前とほぼ同じですが、今回はパクチースパイスがあるので、これを入れるところだけが違います。

まず、たまねぎをみじん切りにします。
(※のちにトッピングとしてもたまねぎみじん切りを用意する必要があるので、ここでまとめてざくっと刻んでおく方が時短になります)
みじん切りしたたまねぎ(できるだけ細かい方がいいです)は、水にさらして辛みを抜きます。

実は水にさらすよりは、そのまま置いて空気に触れさせた方が辛みが抜ける、という方もいらっしゃいます どっちが正しいかは分かりません

トマトもみじん切りします。

包丁が切れないと、トマトの皮がつながった長いトマトみじん切りができあがります

水にさらしたたまねぎを、水を切って器に入れ、トマトと合わせ、レモンジュース(ここではシークワーサージュース)とパクチースパイスを入れて混ぜ、完成。

混ぜる直前 サルサ・メヒカーナだけは作るの超ラク


作り方 ――トッピング編

玉ねぎをみじん切りにして水にさらして終了です。前行程のサルサ・メヒカーナのとこで水にさらすまでやっておいた方は、ここの行程は必要ありません。

同じ絵を貼り付けるだけのお仕事



作り方 ――トルティーヤ編

ああああああまだあった行程。
餃子の皮を「トルティーヤ」と言い張る行程です。

まず鉄フライパンを用意します。
(※テフロンパンでも出来なくはないですが、高熱を入れ続けるのでテフロンにダメージが入ります。フライパンをダメにしたくない方は、すでにくっつき始めた捨ててもいいボロいテフロンパンを使ってください)

油はひきません まずよく熱します

だいたい、四枚ずつくらい焼けると思います。
餃子の皮を一枚ずつ、熱々になっているフライパンの上に広げて置き、片面30秒、ひっくり返して30秒くらいの見当で焼いていきます。


ひっくり返した時、このくらいの焦げ目がついていれば大丈夫、焼けています 生はたしかにいけませんが、あまり焼きすぎるとパリパリになりすぎ、タコスのように「折り曲げて」食べようとすると割れてしまいます

焼いたトルティーヤ(餃子の皮)は、ある程度をまとめてキッチンペーパーでくるみ、ジップロックで保存しておきます。
(※キッチンペーパーが、湿気から守ってくれます。ジップロックは密閉できるので、トルティーヤ(餃子の皮)を保存するには最適です)

このように


完成 そして実食


ようやく完成……。ああどっと疲れた。
この間、どうあがいてもどう努力しても二時間くらいはかかります。なにせ肉を圧力鍋で煮るだけで一時間、そこから汁を飛ばすのに二十分はかかりますから。

しかし、精根尽き果てるまで仕事をしただけの対価はあるはずです。
では、食べていきましょう!

この迫力ある陣容は、人間の理性を狂わせるには充分……

あああああああ…………。
うまい。
うまい。
ああ……。
うまい。
うまい。
ひたすらパクチーを振り、レモン代わりのシークワーサージュースをかけ、服と手をべったべたにしながら、それを山盛りのキッチンペーパーで拭きながら、ただ食べ進める。

餃子の皮のいいところは、実はタコスって、「噛み切る」とたいへんなことになる食べ物なんですよ。汁が必ずこぼれます。そしてこの赤い汁は油が混じってるので大変洗濯で落ちにくい。
その点餃子の皮は小さいので、ちょうど一口で食べきれます。それがいい。
うまくいきすぎた。餃子の皮大成功です。やった!

うまい。
あーもう。

それしか言えん。

《追記  同日  午後7時》

肝心なことを書き忘れておりました。
今回のタコス、レシピにつきましては、その大部分を、こちら

料理系Youtuber、Genさんのチャンネル、
「Genの炊事場  SUIJIBA」

の、タコスの回、一連のシリーズの動画をほぼ参考にさせていただきました。
八本全ての動画から、レシピをそれぞれピックアップしております。
こちらの方のタコスは、いやタコスに限らず全部の調理は、本格的かつ普通の人ではやらないような専門的な、マニアックなことを次々されております。

大好きで、いつも拝見しております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?