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物価連動国債について

某SNSでの話題を元に、一度だけちょっと深く考察するだけの文章です。
今回は、表記の通り、物価連動国債について。
今回の某SNSは、某SNSでもなんでもなく、Youtubeの高橋洋一氏の動画を観て、の話であります。
そして正直、国債に関しては自分はかなり知見が足りないと自負しており、そのような状況で何かを語るというのは非常に無責任な行為のように自分でも思います。
が、あくまで個人的な疑問として、提起しておきたい、という気持ちがあり半ば備忘録的に記述を残しておく、という目的をご理解ください。
というか、ろくに知見のない奴の文章なんで無駄だから誰も読まんでしょうがw

高橋洋一氏は、お勧めポートフォリオ的にはどうも国債推進派っぽいですね。この方に興味がないので良くは知らないのですが、正直、もと財務官僚という立場から退いた後は、自分の専門ではない分野にも積極的に顔を出し、論評を重ねているあたりの行動を見るにつけ、「腰を据えて万全を期す」タイプというよりは、「思ったことを思ったようにやりたい、言いたい」というおっちょこちょいタイプなんでは、と思ったりしております。
(自分のことは棚に上げるタイプ)

この方の新NISA議論についての発言を観ていたのですが、経済学に精通しているだけあって見るべきものはあり、重要なポイントを押さえているなぁ、と思うは思うものの、ところどころ「あん?」と首をかしげたくなるところもあり。

一番の疑問点が、新NISAの制度設計は金融機関に忖度したもので、金融機関を儲けさせるために推進したんでは(でなきゃ、無税にするなんて酔狂を財務省が許可するわけない)、と発言し、ご自身が制度設計したという物価連動国債を激推ししていたシーンであります。

うーん。それはどうだろう。

今、新NISAの制度について我々投資民が一番危惧し、一番憤っているのはそんな(金融機関を儲けさせるための悪質なファンドをNISA枠で買えるよう設計してある)ことではなく、新NISAが広まったところで投資利益分に対し社会保険料の増額を検討しているという、全くにおいて本末転倒とも言うべきクソ改悪についてでして(審議が始まった、というだけで、実施が決まったわけではないですが、こういう議論が出てきては何らかの改悪は時間の問題である、と見るべきでしょう)、物価連動国債を個人購入できるか否か、というのは正直……まぁ、必要な人は必要かもね、くらいの重要度でしかなく、それを個人購入出来なくしてるのは財務省の陰謀、っつうのはどうかな。考えすぎじゃね? と思ったものです。

そもそも。
2009年時点(リーマンショックから民主党政権期)なんて、日本が一番デフレであえいでいる時で、そんな時期にインフレを想定した物価連動国債なんて重要視されなくて当たり前じゃね? って思うのですよね。
たまたま今、世界的金余り、インフレーション、それにともなうドル金利爆上げ、なんていう事象が日本にも波及しているからこそのこのインフレで、そもそもそういうインフレによって、物価連動国債で実質金利が、しかも複利ではなく単利で、1.1%が実質1.4%くらいになったところで。
それが例えばS&P500や全世界のリターンと比べて魅力的に映るか、っつったら、映らないんですよ。やっぱり。

ただ、宋世羅氏が(以前ちょっと言及しましたが)おっしゃってたとおり、自身のポートフォリオの中身なんて、その個人、人自身の立場や状況によって求めるポートフォリオは千差万別、これでなければならない、というポートフォリオなんてない、というのは本当のところで。

なので、必要な方はそれこそ、物価連動国債を扱ったインデックスファンドはちゃんとありますので(※ここが、高橋洋一氏の発言の中で一番首をかしげたシーンなのですよ。買えるんですよ。金融機関を介してならば。いくらでも。少ない手数料で。ま、国債はそもそも手数料なしで買えるものなので、インデックスファンドといえど幾ばくかの手数料を取る時点で金融機関優遇だ! などと吠えるならば……もう、言えることなんてなくなるんですけどね)それを買えばいいと思うのです。

で。
たいていの国債は短期もありますが、それなりの利率を誇るものは十年債以上なんですよ。
このインフレがじゃぁ、10年続くかっていったら、そんなの誰にも分からないわけです。
インフレという経済状況も、未来の経済についてはいずれも不確定、ランダムウォークである、というルールどおり、どうなるか分からないわけで。
そんな「物価連動型」に賭ける、というのも、立派な「リスクオン」資産であるわけです。

ともかくも。
制度が有効か有効でないかは、その制度にのっかる人たちが自己の知見をフル動員して、足りないぶんは調べ尽くして、判断すべきことで、一律カネをとるから許さん! なんて言ってたら、資本主義なんて育ちませんよ。
自分以外みんなバカ。俺が教えてやらないとなんもできん、と思ってるような財務官僚畑の人には、このへん、ちょっとわからないかも知れませんが、ね。

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