住宅建築についてちょっと調べてるので
見聞きした情報を備忘録的においておくだけの稿です。
日本における住宅工法は何種類かありますが、資材別に大まかに分けると3つになります。
木造、軽量鉄骨、重量鉄骨、の3つです。
ここから細かく派生して、たとえば木造の中には軸組工法やツーバイフォーなどがあり、重量鉄骨の中には鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)や鉄筋コンクリート造(RC)があります。あと合成樹脂造なんてのもありますが、性能で分けるならばこれは木造に分類して差し支えない特徴とみていいでしょう。
このうち、RC、SRCなどの重鉄骨造と軽量鉄骨造の違いは、家づくりに使用する鋼板の厚さです。重鉄骨が6mm以上、軽量鉄骨が6mm未満となります。
ただ、「住宅」工法と言いましても、重鉄骨を用いるのはほぼマンション以上の大型ビルであり、通常の2階建て程度の住宅であれば、選択肢はほぼ木造か軽量鉄骨の二択となります。
なぜか?
重鉄骨造は費用(初期建築コスト)がバカ高くなるからです。
百年住宅、なんて売り文句もあるものの、住宅の耐用年数なんて、まず30年程度のもの。やがては家族構成も変わり、住み替えやリフォームを検討するようになります。それを、1.5倍以上のカネを出して、たとえ間取りの自由度もリフォームの困難さも差し引いてでもくそ丈夫な家を建てたい! というのでなければ重鉄骨はまず、選びません。
ちなみに防音について、昔、エイブルで部屋探しをしていたときのことを思い出したので、書き留めておきます。
隣にいたお客が、
「とにかく防音の部屋がいいです」
と提案していたのを、
「賃貸で防音の部屋はまず出ない。そういう部屋はほぼほぼ富裕層むけの分譲マンション。それに防音と言っても完全防音を目指すならコストはさらに高くなる。正直、音に関しては、集合住宅に住むならばある程度の割り切りと覚悟は住人の方がしてくださらないと」
とけんもほろろだったのを聞いたことがありました。
重鉄骨を用いておかしくないマンション、集合住宅の建築でこのレベルなら、個人の一軒家などは推して知るべしでしょう。
……まあ、この話自体はおおよそ20年以上前の話なので、今はまた技術革新が進んだり建材も進歩してるし(また、すさまじいデフレ続きだったし)で、状況は変わってるのかも知れませんが。
さて。
となると木造か軽量鉄骨の二択となります。
まず木造についてです。
軽量鉄骨と比較して、ということにはなりますが、メリットとして、まずは初期建築コストが安いことがあげられます。
次にリフォームのしやすさ、間取りの自由性、通気性の良さがあげられます。
逆にデメリットですが、遮音性、耐震性、耐火性が低いことでしょう。あと重量積載物の限度も、軽量鉄骨と比べて落ちます。
では次に、軽量鉄骨について。
あくまでも木造と比較して、という話にはなりますが、メリットは耐震性と重量積載物が木造よりは使える、つまり丈夫であることがあげられます。そして耐火性もこちらがやや優れてはいます。ただ最近は木造住宅の性能も上がってきており、正直正確な比較はしがたい、というところではあります。
あとは……実は遮音性についてはわりと木造とどっこいどっこいで(軽量鉄骨は、壁の厚さについては木造とほぼ変わらないので)、住宅耐用年数もそれほど変わらない。
そして間取りの自由さ、初期建築コストについては木造の後塵を拝しております。
コストはおおよそ木造の1.2倍程度。
我々が通常木造、と呼んでいるもので想像するのは木造軸組工法ですが、最近流行りのツーバイフォーも構造用製材(つまり枠組)は木ですから、木造の分類に入ります。
軽量鉄骨を使う場合は俗に言うプレハブ工法が使われます。
特徴としては上に見た通りですので、それぞれの方のプランや要求にフィットした工法で建てられることをお勧めします。
さて。
次回以降……いつになるかは分かりませんが、住宅を建てる上で検討しなければならないことは……たとえば注文住宅かハウスメーカーか、土地は? 会社は? 工務店は? どう選べばいいか、など、多く疑問点があるかと思いますので、これらについて検討していきたいと思っております。