ぐっと来る理由
ワクチン二度目の接種が済み、気怠さがようやく治まったゆえ、今朝久々にジョグに出て11.62km走る。そのさ中、羽田空港船着場で伸びをする鵜を目に入れ、つがいの嘯きに驚いた川面がハッとしたように思われた。
すくむ鵜に燃くず折るゝかゞり哉
幕末から明治に、長野伊那谷を放浪した井上井月の一句を思い出した。なんとも切ない句だ。だから、いい句だと言える。芭蕉の、
面白うてやがて悲しき鵜舟かな
を想起させられるが、それを踏まえて詠んだものなのかは分からない。
俳句にぐっと来るのは、作者の眼差しと一体となれるからである。眼差しは、その時の心を伝えてくれる。
そんなことを思いつつ、駆けていた。
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