暮瀬堂日記〜稲架(はざ)
秋分の節気の末候が「水始涸(みずはじめてかる)」である。「水涸る・瀧涸る」は冬の季語であるが、ここで言う水は、水田の水のことで、田に張っていた水を抜き、稲刈りが始まる頃を表している。
田の近くを通れば、暦通りであることがうかがえる。稲田では稲架(はざ)掛けが見られるようになり、と言っても、この頃は自脱型コンバイン(刈取りと脱穀を同時にする)が普及したので、もっぱら掛稲の景色を目にすることは少なくなった。
コンバイン稲架の隣の田に入る
以前、父と母が言っていたが、乾燥機よりも、稲架で時間を掛けて乾かした米の方が、美味であるとのこと。
中学生くらいまで手伝った稲刈が、懐かしく思い出される季節である。
(新暦十月三日 旧暦八月十七日 秋分の節気 水始涸【みずはじめてかる】候)
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