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冬の陽を黙々と呑む背のむれを
飽きることなくながめたひる
わたしたち不完全なままでいましょうと
石段をさそいおりていく
ふるびた曲線
赤茶けた幹のたちならぶ林間から
鹿たちのゆれうごく太もものかたさを浴み
沼に跡がながく曳かれると
とおくの空に仔馬がたたずむ
もうここからは語るすべがないと
しずかに涙をおとしている



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