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PASPY廃止されたらどうなるの?
PASPY (パスピー) は、アストラムライン、フォーブルにおいてはすでに利用が終了しました。
それ以外のバス、路面電車などは来年 (2025年) 3月29日土曜日までに順次終了します。
(お断り)
記事公開時点での情報をもとに執筆しています。できるだけ最新情報への更新に努めてまいりますが、できない場合があります。
本記事内では、10カードとは以下
Kitaca (キタカ)
Suica (スイカ)
PASMO (パスモ)
TOICA (トイカ)
manaca (マナカ)
ICOCA (イコカ)
PiTaPa (ピタパ)
SUGOCA (スゴカ)
nimoca (ニモカ)
はやかけん
の10種類の交通系ICカード。
そもそもPASPYとは
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広島の交通系ICカード
PASPY(パスピー)とは、主に広島県のバス、路面電車などで利用できる交通系ICカード。
2008年にサービスを開始し、順次広島県内の交通事業者に導入されいった。
累計発行枚数は、最後に公表された2018年3月現在で約180万枚。
発行開始当初は、9種類のデザインがあった。
定期券は、それぞれの会社が指定する種類のカードでのみ発行されている。
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PASPYサービス開始前には、さまざまな媒体で宣伝を図ったほか、記念デザインカードも発行された。
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バスカードの後継として開始したPASPY
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![](https://assets.st-note.com/img/1724996841961-cOBIfb0iIY.jpg?width=1200)
PASPYは、システムが老朽化したバスカードの後継としてスタートした。
サービス開始時は、ICOCAのみ、2018年3月からはSuicaやPASMOなどを含めた10カードも使うことができた。
バスカードを上回る機能として、定期券、小児運賃や障がい者割引の自動適用などの機能が実装された。
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バスカードとは、磁気式のプリペイドカード。QUOカードやテレホンカードも同様な仕組み。バスや市内電車などで各社共通して使用することができた。
PASPYは、バスカード購入時の10%のプレミア付与を引き継ぎ、運賃精算時に10%割引 (10円未満は切上げ) されるPASPY割引が実装された。
また、バスカードを上回る機能として、定期券、小児運賃や障がい者割引の自動適用などの機能が実装された。
バスカード時代、定期券は降車時、乗務員に紙式のものを提示していたほか、小児運賃や障がい者割引などは降車時、乗務員に申告をしてからリーダーにバスカードを通していた。
上記の動画は、バスカードではないが、磁気式カードを広電電車で使用しているものである。
筆者も地元のバスで何度かバスカードを使用したことがあり、とても懐かしく感じる。
(余談) バスカードの前は?
バスカード登場以前は、専ら紙式の回数券方式が主流であった。
例えば、100円券11枚綴りを1,000円で購入できたなど、PASPY割引の原点ともいえる存在。
バス会社共通して使用できた6社共通回数券も発売された。
100円券や200円券など様々な値段で発売され、ちょうどの金額になるように組み合わせて運賃箱に投入していた。
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なんでPASPYが廃止されるのか
更新費用が高い
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PASPYは平成20年のサービス開始から約16年が経過し、システムの老朽化による大規模な更新が必要となる中、県内のバス事業者等30社超構成するPASPY運営協議会において、今後の対応を協議した結果、システム更新に多額のコストが必要となるため、現在のシステムの更新は行わず、各社で新たな後継システムの導入を検討することになりました。
※録画配信は、広島市議会の公式記録ではありません
PASPYは、7~8年ごとに約40億円ものシステムの更新費用がかかり、大きな負担となっていた。
特に、PASPY更新の約半分を負担しているといわれている広島電鉄は、2021年3月期の連結決算は、売上高は当時、前期比で23%減で14年ぶりの赤字となって相当な危機感があったと推察できる。
現に、この時の決算会見で将来的なPASPYの廃止について初めて言及している。
また、広島電鉄の中期経営計画の見直しの変遷を見ても、新型コロナウイルスが与えた影響の大きさを伺える。
2020/05/14発表:https://www.hiroden.co.jp/company/ir/pdf/businessplan/2020-1.pdf
2021/05/13発表:https://www.hiroden.co.jp/company/ir/pdf/businessplan/2021-5.pdf
2022/05/12発表:https://www.hiroden.co.jp/company/ir/pdf/businessplan/2022-1.pdf
持続可能な地域公共交通の実現
広島電鉄は、おそらくコロナ禍以前より、持続可能な地域公共交通の実現に向けて柔軟な運賃制度の展開について検討を重ねてきたものと思われる。
その中で、PASPYで展開できる施策には限界があると感じていたのであろう。
なぜなら、PASPYにおいて運賃を改定するとなれば、すべての運賃箱の設定を変える必要がある。
また、広島シティパスに代表されるエリアフリー定期券も、一つのエリアで登録できるバス停の数が99か所までと限られており、制約が多いことも一因かもしれない。
参考までに広島電鉄が実現しようとしている施策として、時間帯別運賃や金額式定期券などが国土交通省の委員会で挙げられている。
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MOBIRY DAYSとは?
![](https://assets.st-note.com/img/1724999646409-L2DXTWXog6.png?width=1200)
ここで新しく出てきたMOBIRY DAYS (モビリーデイズ)。
なんとなく報道でご存じの方も多いと思いますが、詳しくはよく分からないのではないでしょうか。
「QRコード(?)でやるやつなんでしょ」とか「クレジットカードとか銀行口座がいるんでしょ」などの漠然としたイメージをお持ちで不安な方も多いと思います。
これから、MOBIRY DAYSについて筆者が総力を挙げて調べた内容をまとめていくので、きっと不安の解消につながると思います!
広島電鉄などが開発した新しい乗車券
MOBIRY DAYSは、広島電鉄、NEC、LECIP (バス運賃箱などのメーカー) が開発した新しい乗車券サービスです。
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2020年に開始したMOBIRY (モビリー) とは別物のサービスです。
![](https://assets.st-note.com/img/1725061417102-dqFehNvF23.png)
事前に会員登録が必要
MOBIRY DAYSは、事前に会員登録をする必要があります。
以下のページの指示に従って会員登録するとスムーズです。
また、スマホやパソコンをうまく使いこなせない方、使えない方は、詳しいご家族ご友人に手伝ってもらうか、MOBIRY DAYS取扱窓口やMOBIRY DAYS登録イベントで会員登録するとよいでしょう。
MOBIRY DAYS専用コールセンターも設置されています。
電話番号は082-221-0050。非通知は拒否、通話は品質向上のため録音されます。
どうやって使うの?
乗車方法
電車・バスをご利用される際は、乗車・降車時に、ご自身のスマートフォンに表示させたQRコードをリーダ(読取機)へかざすことでご利用いただけます。スマートフォン以外でも、専用ICカードでご利 用いただけます。
![](https://assets.st-note.com/img/1725077734471-QXtqItU9xv.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1725079013805-JOsmHRgSgt.png?width=1200)
専用ICカードでは、事前の設定さえしてしまえばこれまでと同様に使うことができます。
決済方法
チャージや定期券の購入には、クレジットカードや銀行口座、現金が選択できます。
現金の場合は、窓口でのみ取り扱います。電車やバス車内でチャージできません。
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銀行口座振替では、決済ごとに手数料が発生し、現金のみだとチャージするために窓口に行かなくてはなりません。クレジットカードを持っていない人は、この際クレジットカードの作成を検討されてもよいかもしれません。
クレジットカードを諸事情により持てない人は、以下を試すのも手です。
JCBやVISAなどがついているデビットカード・プリペイドカードは登録できないと公式ではアナウンスされているが、一部筆者が登録を確認できたカードがあるので記しておきます。
Kyash Card Virtual (VISAプリペイド)
FamiPayバーチャルカード (JCBプリペイド)
上記2つのプリペイドカードは、審査不要ですぐに使うことができます。
他にも登録できるカードがあるかもしれません。お手元にカードがある方は、一度登録をされてみてはいかがでしょうか。
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どんなことができるの?
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特筆すべきは、オートチャージ機能です。
現金支払いのみを選択している人を除き、専用ICカード利用者はオートチャージが必須となっている。
残高不足でエラーとなる日々からおさらばできるでしょう。
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基本的に、PASPYと同じ制度が継続されるが、共通定期券制度や乗継割引など事業者をまたいで提供されるサービスは、MOBIRY DAYSを導入している事業者間でのみ提供されます。
おそらくここが最大の懸念点となると思います。
広島電鉄グループ以外の広島バスや広島交通、JRバス中国は、MOBIRY DAYSを導入としているものの、具体的な時期は公表されていません。
各社がMOBIRY DAYSを導入し終わるまでの間の共通定期券などのサービス提供方法は、追って事業者から発表があると思いますので、しばらく待ちましょう。
しかし、PASPYが終了するまではこれまで通りPASPYを使うことができます。
あわてず、発表を待ちましょう。
ここで触れていないこともたくさんあります。ぜひ一度公式サイトを訪れてみてください。
このほか、MOBIRY DAYSで提供されると予告されているサービスがいくつかあります。
以下のプレス資料に触れられていますので、興味がある方はご覧になってください。
https://www.hiroden.co.jp/topics/2024/pdf/0315-mobirydays/pressrelease-mobirydays.pdf
まずは、ためしてみよう!
PASPYが終了するまでは、まだ時間があります。
この間に一度MOBIRY DAYSで電車なりバスなりに乗車されることをお勧めします。
この記事やテレビ、新聞では分からない実際の使った感じを体験してみてください。
筆者も、2024年2月に阿戸線で行われたMOBIRY DAYS実証実験ではじめて体験し、報道されているほど悪くないのではと思いました。
また、前述した登録イベントなどで不安な点をお話されるのもよいかもしれませんよ。
さいごに
とりあえず、広島市内はICOCAでぜんぶ乗れる
PASPY後継サービスとして、MOBIRY DAYSという全く新しいサービスが出てきました。
広島市内は、都度利用に限りICOCAなど10カードを持っていればすべての電車やバス、アストラムラインに乗ることができます。
利用方法が一部異なる路線はあるものの、ICOCAでぜんぶ乗れます。
あわてずに行動しよう!
PASPY終了まではこれまで通りPASPYが使えます。
あわてずに各社の新システムに移行する準備をしましょう。
今後の動向に注目しよう!
まだまだ発表されていないことが多くあります。
報道やこの記事などで情報を更新していきましょう。
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