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【運賃値上げで話題】法定協分科会とはなんぞや

本日、2024年11月29日に開催された「広島市地域公共交通活性化協議会運賃分科会」
最近、広島市内バス・電車値上げのニュースで目にするけど何なのか分からないという人に今から簡単に説明していきます!

運賃に関することを議論

その名の通り、運賃に関することを議論する協議会です。
話し合う運賃は、「協議運賃」といって、複数の事業者が話し合って決めたものです。
従来は、この行為は独占禁止法カルテルとして禁止されたいましたが、昨今の厳しい地域交通をリ・デザインすることを目的に独占禁止法特例法が制定され、カルテルが可能となりました。
ただし、共同経営計画などを作成し、国に提出し認可される必要があります。

(独占禁止法特例法)
地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律

広島市では全会一致で決定する

・法令上は、必ずしも全会一致とする必要はない。各市町村でご検討いただければと思う。(中国運輸局)
・協議会での審議事項については、利害が一致せず難しい案件もあるが、時間をかけて審議を行っている。 分科会なので特別な取扱いを定めることも考えられるが、現在の協議会と同様に、時間をかけて審議し、 皆さんの納得をいただける形になればよいのではないか。(藤原会長)

第18回 広島市地域公共交通活性化協議会配布資料より

「交通事業者も1社ごと参加し、自治体、地方運輸局、 住民代表の4者で協議」することになっており、この4者が全員賛成しないと協議運賃は承認されません。
数の力のみで議論が進むことはなく、住民代表(今回は市社会福祉協議会と広島消費者協会)からも賛成を得なければなりません。

市民の声も協議会に反映される

「あらかじめ、公聴会の開催その他の住民、利用者その他利害 関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」と規定され、具体的にはパブ リックコメントや関係者へのヒアリング等を事前に行い、その意見を協議に反映する仕組みも創設 されている。

第18回 広島市地域公共交通活性化協議会 議事要旨より

住民代表のみならず、市民の声も直接届けることもできます。
今回の運賃値上げに関してもパブリックコメントが実施され、360件の回答が寄せられたそうです。(NHKより)

議論はちゃんとまとまるの?

今回の協議会では結論が得られませんでした。
結論は次回以降の協議会に持ち越しとなりましたが、来年2月1日の運賃改定に間に合うのかは不透明な現状です。
なぜなら、運賃改定の1ヶ月前までに国に改定の届け出をしなければならないからです。
師走12月にもう一度協議会員が全員集まって議論ができるのか、できたとしても結論を得ることができるのか。
全会一致ならではの意思決定スピードの欠如が生じる恐れがあります。

(事務局)
・ パブリックコメント等あるいは地域の住民の方の関係者の説明会ということで設定をされており、 今までよりも短くなることはないとは思っている。ただ一方、現在でもダイヤの減便など住民の方に 大きな影響がある案件については、事前に地元関係者に説明に行っている。その点、時間が大幅に遅 れるというようなことはないが、滞りがないように調整をしていきたいと思っている。

(藤原会長)
・ 協議運賃の趣旨は、フットワークよく地域にあった「リ・デザイン」にしていくことなので、単的に 時間がかかるように見えるが、住民の理解が得られ、よりスムーズになっているのかもしれない。市 においても、今後、全国の事例を集めていただき、適用する際に役立つようにしていただきたい。

第17回 広島市地域公共交通活性化協議会 議事要旨より

(参考)アフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」有識者検討会

この検討会は、わが呉高専の神田先生も参加されていました。
また、第二回検討会には広島電鉄も資料を提出し議論に参加していました。

広島電鉄資料の表紙

この中で、広島電鉄は「地域交通デザイン会社」を提案しています。
これは現在の「バス協調・共創プラットフォームひろしま」へとつながっていきます。

地域交通デザイン会社について

資料参考

広島市地域交通活性化協議会


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