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K野山宿坊の秘密
K野山の宿坊の秘密を書いてしまうと、私は消されてしまうかもしれないw
最初にK野山の宿坊を利用したのは20代だった。
宿坊での宿泊は、朝のお勤めへの参加、写経や阿字観といった修行体験が醍醐味である。
宿坊では大浴場もある。
私も利用しようと脱衣場で服を脱いでいた。
「きゃあああああ!!!!」と女性の叫び声。
「目が、目が!」
何事?と、おののく女性の所に行くと「床の穴から目が覗いてる!」と。
見てみると床の板目の節部分をくり抜いて穴にしてあり、下から目が覗いていた。
恐らく脱衣場の床下に人が入れるぐらいの空間が作ってあり、
節をくり抜き、脱衣所を覗けるようにしてあるのだ。
とりあえず洗面器を置いて見えないようにするのが精いっぱいだった。
今だったら画像を撮って警察に通報だ。
K野山ではこういう建築が当たり前なのかもしれない。
「例の覗ける脱衣場でお願いします」みたいなオーダーをするのだろう。
地元工務店もグルだ。
それから十数年後、K野山の宿坊に泊まる事情が生じた。
瞑想していたら見知らぬ僧侶が現れ「K野山に行け」と言われたからだ。
前に泊まった覗き脱衣場があった宿坊はやめておいて、他の宿坊にした。
その宿坊でひとまず阿字観をし、
昔、利用した宿坊の脱衣場に覗き穴があった話をお坊さんにしてみた。
するとものすごく慌てた様子の大きな声で「うちはやってないですよ!」と言った。
逆に不自然…。
まだ夕方で入浴していい時間ではなかったのだが、「もうお湯は沸いているから入っていいですよ。このあと、外人さんの団体さんが来られますし」とお坊さんは言った。
なんとなく、私は対象外で外人さん狙いの空気を感じたが、
いやいやそんな俗な疑いはいけない、ここは霊山の中だ。
さてお先にお風呂をいただきますか、と浴室に行った。
脱衣場を確認した。
すると…穴が空いていた。数か所。
十数年経ったK野山の宿坊に、まだこの伝統が続いていたかと思った。
私はとりあえず全ての穴にひたすらティッシュを詰めて回った。
外人さんのためにもティッシュだ。
K野山に来るなら硬化パテとか持って来るべきだった。
うっかりしていた。
風呂から上がると、宿坊に外人さん達が到着した。
若くてきれいな人が何人も居た。
最低な宿坊を持つ総本山、私の心はすっかりS言宗から離れた。