恋の行き先。〈11〉
背後から抱きしめられて、身動きが取れない。
私「敦史?疲れてるでしょ…」
敦史「くれはを見るとどうしても。自分でも驚いてる。構わない?」
敦史はそのままの姿勢から、私のショーツだけ剥ぎ取った。
そしてすぐに。
お尻を抱えられ、後ろから敦史は動いた。
私は猫が伸びするように、敦史の気持ち良い姿勢を取り続けた。
敦史「くれは、今日はもう」
敦史は声を上げ、そのまま果てた。
敦史は半分眠ったように私に話しかけた。
敦史「あっちのマンション、決めて来たよ。くれはが来てもいいように間取りも広めにしておいた。」
敦史は強く抱き締め直して、
敦史「あそこでの一人暮らし、耐えられない。」
泣くように吐き捨てた後、敦史は眠ってしまった。
古い置き時計が曖昧な時間を示していた。
それが今は救いになってくれているような気がした。
私は何度も何度も敦史の髪を撫ぜだ。
夜は二人に構わずしんしんと冷えて行った。
私は敦史に大部分の布団を被せ、その上から敦史を温めるため抱いた。
静かな夜に時計だけが一緒に起きてくれていた。