恋の行き先。〈22〉
あのまま私は抱かれたまま絶頂を迎えると、敦史はそれを確かめながら私に指輪をはめた。
あと一つ。
抱き上げられて和室に行き、相変わらずシングルの布団だったけれど、敦史はそこに私を寝かせ、自分も横になった。
敦史「いつまでシングルの布団で待ってるつもり?」
私はまだ身体の芯が感じていて、敦史に腕を回してくっついていた。
敦史の小指にはもう一つの指輪がはめてあり、私はあと一度敦史に抱かれることを知った。
敦史「まだ休憩する?それとも?」
息ができないほどの深いキスで気が遠くなりそうだった。
その時、冷んやりとした窓から雪がチラつくのが見えた。
私「雪…」
敦史は、雪の華という歌が今、ぴったり。と呟いた。
私はこんな私がどうして愛されるのか不思議で仕方がなかった。
ただどう思われようと、彼を大切にしたい、敦史の全てを抱いていたい、それだけを思った。
まとっていたバスタオルから、左の乳房をあらわにすると彼は吸った。
私の左乳房は手術してから小さくて、彼は慈しんでくれるのだった。
それが快感へと変わり、私は敦史を自ら求めた。
心が惹かれているから快感が開く、私はまた彼を受け入れて喘いだ。
彼がもう一つの指輪をはめるのに、そう時間はかからなかった。
二人は下着を身につけ、布団に入った。
私は彼の胸に顔を埋め余韻に浸っていた。
そして左薬指の二つの指輪を見つめた。
なんという愛の表し方なんだろう。
この人は二度と現れない特別な人。
敦史は私の髪に顔を埋め、明日はずっと家にいようといった。
彼は明日の夜か、明後日の早朝には関東に戻る。
束の間の逢瀬には時間が貴重だった。
つづく