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通り魔事件の続発を受けて。氷河期世代の救済を。

先月(2025年1月)、長野市で46歳の男が駅前で3人の男女(いずれも30代から40代)を刃物で刺すなどし、1人が死亡する通り魔事件がありました。

報道によると、男は生活保護を受給していたとのこと。10代の頃はスポーツをしており、周囲からの評価もよく、将来は教員になる目標があったそうです。その男の部屋からは酒のパックや飲み物の空きボトルなど多くの生活ゴミが警察によって運び出されたことが報道で伝えられています。

察するにろくに保清もできていなかったでしょう。仕事はアルバイト、非正規の仕事だったとか。本来なら社会の中堅として、活躍し、部下を持ち、高校生ぐらいの子供もいる年齢。彼はどこでつまづいたのか。

彼は就職氷河期世代ど真ん中です。大学入試でも、就職試験でも、最も不利だった世代。正規に就くことができず、親の世代であれば、当たり前にできていたこと、就職、結婚、子供をつくる、ができなかった。

やがて、自分の不遇感が世間への憤りになり、無関係の誰かを殺傷するに至ると。この氷河期世代がこうやって社会に向け、恨みを発散する。この手の事件はこれからも起きてしまうでしょう。

本来なら、野党こそ、こうした氷河期世代のための政策を掲げ、救済に動くべきでしたが。40代や50代で非正規の、とりわけ男を救う策を(暴発するタイプの事件を起こすのは決まって男です)。野党からそうした提言があったとは残念ながら寡聞にして知りません。

今の40代はまた、引きこもりが最も多い世代とも重なります。就職活動で躓いてからのドロップアウトも相当いるのではないでしょうか。統計には現れませんが、半ヒキコモリ(バイトを自分で始められるけど、職場で孤立して、イジメを受けて、数カ月で職場を転々としてしまう)も40代が特に多いと想像します。

「自分の人生、生活がこんなになってしまった。こんなはずじゃ。」と自分の境遇を認められない。そして、周囲から蔑まれる自分に耐えられない、それは何よりの恥辱と感じる。

そうした不遇な人ほど、プライドや誇りを強調する傾向があるでしょう。「自分は負けていなんだ」「自分は不遇な者ではないのだ」「自分は落ちぶれてはいないのだ」と強く思い込む。

こうした人に「生活保護を受給しませんか」「障碍者年金を受給しませんか」「コミュ障を克服しませんか」と善意で提案しても憤りを持って反発されてしまう。

本来なら、支援につながるべきだし、弱者どうしで連携すべきなんです。そうやって、結束して集団になれば、力を発揮できる。我々は国民主権の国に暮らしており、誰でも等しく一票を有しているのだから。

そして、惜しいかな日本共産党や社民党こそ、こうした不遇感で苦しみ続けている40代50代の男達にアプローチすべきなんですが。かつて、1960年代、高度成長期、急速に都市化と工業化が進んでいたころ、地方から出てきた若者を集めることで共産党などは成長したのですから。

「最も不遇な層はどこにあるのか」を考えれば、自ずと氷河期世代の人々、になるはずです。「生活支援や公務員の正規採用、年齢上限の撤廃」を掲げれば、どの政党も欲しがるであろう壮齢者達を大量に獲得できるはず。だから、これは野党、与党、思想の右、左、関係なく、氷河期世代、孤立し、非正規か、無職の男の救済に動かねば。

もし、40代、50代でこうした境遇の人々、とりわけ男に一方で自助策として私が提言することがあるとしたら、「家事をしろ」「健康的な生活をしろ」でしょう。弱者男性ができることはまずそれです。

既婚女性のアカウント、夫に対する不満が散見されます。多いのは家事への協力がない、あるいはキレイに扱ってくれない、何度注意しても、また汚してしまう。こうしたことが積み重なって強い不満を覚えるのでしょう。

家の中でいつも整然と清潔に扱う人と扱いがぞんざいで保清ができていない人との同居、清潔に扱う習慣がある人のほうがストレスになります。

統計があるかどうかはわからないので、予断で書きますけど、離婚する夫婦のうち、夫が不満を持つ、妻が不満を持つ、どちらとも不満を持つ、だと妻が不満を持つ、の割合が高いのではと想像します。

独身になった中年男は平均寿命が60代と短いのだとか。これもセルフネグレクトというか、自分のケアができていないとそうなるのでしょう。まず、まっとうな食事がとれていない。家や自分の身体の保清ができていない。そうした生活が長く続くと長生きできないのでしょう。

家事をやれば、わかります。掃除、洗濯、料理。やってみれば、ネットで検索すれば、知らなかったことばかり。様々なスキルや知識が増えていきます。それに加えて、理容や服飾、健康に関する知識が増えていけば、なおさら、心が荒みにくくなるはず。ヒキコモリの男女比、女性が2割と少ないのもそういうことなのかなと。

まず、家事をする。健康的な生活を心がける。そのうえで、自分の不遇な環境を変えるよう、リアルで人とつながり、意見を発信し、政治に働き掛ける。仲間を増やす、つくる、ができれば、通り魔事件のような不幸は各段に起きにくくなるはずですが。

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