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発達っ子と暮らすインテリア|「一人になれる場所」にポエングが使えた

我が家には、自閉症スペクトラム(ASD)の娘がいます。

思い通りにならないと、感情が爆発してしまいます。小学校1年生ですが、まだ言葉は2語文程度です。気分が高まってしまうと、とてもじゃないですが言葉で表現できる状況ではなくなります。

■暴れる娘、我が家の対処法

我が家では、娘が(たとえば作っていたレゴが途中で壊れてしまったなど)怒りで暴れ始めてしまったときは、「落ち着く、落ち着く」と声をかけながら近寄り、「どうしたの?レゴ壊れちゃったの?悲しかったんだね」と声をかけながら、こちらに注意が向いたときに

「(右手をグーにしながら)暴れる?

(左手をグーにしながら)暴れない?」

と聞きます。娘はだいたい「暴れない」の左手にタッチし、意思表示します。「暴れたいわけではない」という意思表示をすることでクールダウンしはじめ、その後抱っこで落ち着きます。

ちなみに、最初は人差し指を出していたのですが、暴れているときは勢いよく指を掴んできてけっこう危ないので、パニックになっているシーンではグーで2択にするようにしました。

落ち着いているときは、指を何本か使って複数の中から選んでもらうこともできます。「お昼ご飯なににする?パスタ・うどん・チャーハン・オムライス、どれがいい?」みたいな感じです。指で一つずつ目印をつけることで、質問が可視化できるのでしょう。娘は「パスタ食べる?食べない?」みたいな2択であれば目印がなくても答えられますが、複数の中から選択したり、「なにがいい?」みたいな質問は難しいようなので、今はこの方式をとっています。


この「選択式で気持ちを選んでもらう」方式ですが、娘の場合けっこう有効活用できています。
気持ちを自分で表現できないですが、こちらからヒントを与えることで自覚でき、さらに受け入れてもらえたという安心感につながるのかもしれません。

ちなみに、提示したなかに自分の気持ちがないときは、プイっと横を向かれてしまいます。

娘は普通の私立幼稚園に通っていましたが、この方式だと園児のみんなとも意思疎通がはかれたので、お友達が「なにして遊びたい?ボール?ブロック?」と声をかけてくれたりもしましたね。

■落ち着きたいときにポエングに座る娘

うちには、IKEAのベストセラーアイテム、ポエングアームチェアが2脚あります。家の中でもめっちゃいい場所をとっているポエングですが、最近これを窓側に向けて置いていたんです。

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ポエングは後ろ姿もかわいいので、ほんとにいいですね~~。

このチェアは日本人初のIKEAデザイナーである中村昇さんの手でデザインされました。暖炉の前でゆられるロッキングチェアのような印象を落とし込み、プチプラなのにゆりかごのような心地よさが体感できるアイテムです。我が家では体に合うよう、クッションをいくつか添えて使っています。

ポエングを買った理由は「パーソナルチェアが欲しかった」「デザインが気に入った」「安かった」の3点でしたが、この心地よい揺れ感が娘のお気に召したよう。


ポエングは背もたれが高いので、窓側(壁)に向けておくことで、ちょっとした「おこもり感」が生まれるんです。

これ、私が座っても落ち着くのですが、娘もすぐそれに気づいたようです。

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よくここに座って、絵本を読んだりお人形遊びをしたりするようになりました。ちょっと一人で落ち着きたいとき、集中したいときにいるようです。

ここだと別部屋のような隔離感もないですし、テレビの音やキッチンの音も聞こえます。背中に誰かいることを感じつつも、一人の空間が確保できたような気になるのです。これはなかなか、居心地よいですよ。

娘はまだ一人になりたいといっても「部屋にこもりたい」という感じではないので、このくらいの距離感がちょうどよかったんだと思います。


暴れているときはさすがに椅子に座って…なんて悠長なことは言っていられないですが、ちょっと落ち着いた頃に「ポエングに座って気持ちを落ち着けようか」と促すことはできます。今はまだ抱っこで対処することも多いですが、ここがその場所になってくれるといいな。

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これからどんどん大きくなって、私だけでは対処しきれなくなることも多くなるわけです。


娘が自分で自分の機嫌がとれるアイテムを少しでも見つけて、娘自身が暮らしやすいようになればいいなぁ。そんなことを考えるのでした。

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倉田エリ|出版コンシェルジュ
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