心のデトックス｜人脈は資産？本当に大切にすべきなのは……

私はあまり、話すのが好きではありません。
小さな頃から。話を聞いているほうがラクだし、自己主張も弱いし、声も大きくないし……。

クラスの隅にいる、目立たない生徒のひとり。

なんならポーカーフェイスだし、あまり笑わないし、心の内を人に話すなんて。だから友達も決して多くありません。

紙に書きなぐって、捨てる、
みたいなことを、子どものころからしていました。
だからこそ、こういうところに書いてしまうわけで。

言葉にしないと、わからない

ただ、その感覚に変化が起きた時期がありました。
いつだっただろう、小5くらいかな。

ふと、「人間はテレパシーが使えないのだから、ちゃんと言葉にしないと伝わらないんだ……」と思ったのです。

別になにかあったわけじゃないですが、なんとなくそれが、おとなになった今も心の片隅にあります。そしてここ最近、その感覚がより一層、強くなってきた感じがするわけです。

才能豊かな先輩がいました。
その人は、ある人気アニメの商品企画に関わっていて。

投稿で
「かわいいグッズできました〜」
「イベントの準備してます！」
という、活躍ぶりを日々見ていました。

他方、先輩とは面識のない、地元の友人が

「◯◯のイベントいくぞー！」
「◯◯のグッズ、ゲットできた！」

と、はしゃいでいて……、面識のないふたりが同じ話題をしている不思議。そして、

（そのグッズ作ったの、私の先輩なんですよ〜！😆）

という、完全外野のくせに、勝手に誇らしくなるわたし。

先輩の仕事はなんて偉大なんだろう。
こうしてたくさんの人を喜ばせることができて……。

あるとき。
先輩、とても落ち込んでいるようでした。クリエイティブな仕事に対して、なにか苦言を呈されたようで、自信を失っているような……

気になって、久しぶりにメッセージをしてみました。
いつも見ていること。
地元の友人が喜んでいること。
それを見た私も勝手に誇らしくなっていること。
そんな先輩を尊敬していること。

先輩はとても喜んでくれました。
モノづくりをしていても、なかなか「個人」の顔は見られないから、意義がわからなくなるときがあると。

私から見たら、巨大コンテンツの人気企画を動かしている、超すごい先輩です。

でも、こんな私の超個人的なメッセージに、ここまで喜んでくれるなんて。

なかなか会えないので、伝えなければ、私の尊敬も、地元の友人の喜びも、本人には届きませんでした。

黙っていたら、伝わらない……
特に喜びの感情は、ちゃんと伝えないと……
人は見えないところで、苦労したり悩んだりしているものです。それがなにかひとつでも、報われたと感じたなら、わたしならとても嬉しい。

喜びを伝えると良いことが起きる

私はコミュニケーション能力が高くありません。
スルーしようと思ったらすべてスルーできてしまいます。

だから意識的に、自分が何に対してどう嬉しかったのか、どんな受け取り方をしたのか、常に内省しています。そうじゃないと言葉に出来ないので。

タクシーに乗って、雲のように居心地の良い運転だったなら、それを感謝とともに伝えます。

スパに行って、丁寧で最高のホスピタリティだと思ったら、そのまま伝えます。

でもね、そうすると、みんな本当に喜んでくれるのです。

なんなら割引してくれたり、表にないサービスをしてくれたり、こっちまでいいことが起きます。喜びって、人の心に素晴らしい幸せの連鎖を起こすんですよね。

喜びこそ、減ることのない資産

あるビジネスを学んでいて、「人脈は資産」という話を耳にしました。
人はこれまでにいろいろな出会いをしていて、それは潜在資産であると。

私もひとりで仕事をするようになって、「人脈」という言葉に多少敏感になりました。コミュニケーションがへたくそだとか言っていられないのです。

でも、「人脈」という言葉から感じる、なんともいえない、無機質さ。

確かに資産かもしれませんが、なんというか、モノ扱いしているような、そんな感覚（が、少なくとも私にはありました）。

でも、人と人とをつなぐ喜びの感情は、資産と呼べるかもしれません。
よく「返報性の法則」なんていいますが、嬉しいことをしてくれたら、それにお返しをしたいと思うのが人の心。

それを利用するのではなく、愛をもって、感じたまま喜びを伝えていく。それがまわりまわって、自分の資産になっていくような。

そんな、喜びの関係性を増やしていきたい……最近は、そんなことを強く思うようになりました。

あ、そういえば、

そう意識しながら活動するようになって、私にも仲の良いフリーランスさんや起業家さん、経営者さんが増えましたが、こんなことを言われるんですよ。

「コミュニケーション能力高いですね」
「話すのうまいですね」
「目立ちますよね」

クラスの隅にいる、ポーカーフェイスなやつだと思っていたけれど、少しずつ変わってきたみたいです。
（そういうと、「むしろ表情豊か！！」「なぜそう自分で思ってるの？」と言われます…笑）

この変化はもちろん、私の感情を受け止めてくれる人たちが増えたからなんだろうな、と思います。大切したい関係性ですね。