尊厳ある人生を送るために
先日、再び卒業した大学を訪れた。
介護士となって、日々仕事をする中で自分の中にある強い正義感や責任感に頭を悩まされ、間違っていないと思いたいのに、それを嘲笑われるような雰囲気に辟易していた。
大学の図書館で5年前のわたしが書いた卒業論文が額装されているのを初めて目にした。
大学生の頃、わたしは貪欲に学び、学科や学部を超えていろいろなことを吸収しようとしていた。
当時は、目の前のことで精一杯で自分が頑張っていたことも多くのことを学ぼうと手を伸ばしていたことも分からなかった。
月日を経て、形になったわたしの学生時代の集大成や礼拝で紡いできた言葉に触れて、わたしは自分自身に背中を押された気持ちになった。
社会人だからといって学ぶことを諦めなくても良い、むしろ貪欲に学ぼうとすることが必要なのだと痛感した。
夏の植物がそこここで咲く学園で、わたしは改めて自然の持つ力を感じた。
緑に囲まれ、色彩豊かな花々を眺めているだけで、土の匂いを胸いっぱいに吸い込むことで、肩の力が抜け、心のわだかまりが解けていく。
人員不足で余裕もなく、閉鎖的な今の職場をずっと不満に思っていた。
陽の光を浴びること、植物を育てたり鑑賞したり、土に触れることがどれだけ心の安らぎに繋がるか。
大学を訪問し改めて自然の力を実感して、尊厳ある人生を全うするためには、自然との対話は必要不可欠であり、蔑ろにしてはいないと感じた。
人との繋がり、自然との繋がりの場を提供し、少しでも長く心の安らぐ時間を過ごしてもらうために、わたしは学ぼうと思う。
下を見て堕落していくことは簡単だ。自分の気の赴くままに、弱者に当たることはあまりにも安易で何も生み出さない。
わたしが授かった神様からの賜物を最大限活かし、還元できるようにしていきたいと姿勢を正された良い休日だった。
わたしはこれまでも頑張ってきたし、これからも頑張れる。
懐かしの学び舎で、わたしはまた活力を得ることができた。
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