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【イベントレポート】木曽で話そう✖️暮らすroom’s vol3「 変わりゆく世の中と教育現場のなかで、いま《教育》に求められるものとは? 」

こんにちは!暮らすroom'sです。
2023年11月3日に開催した木曽で話そう×暮らすroom's vol3「変わりゆく世の中と教育現場のなかで、いま《教育》に求められるものとは?」のイベントレポートをお送りします。
ゲスト 林久美さん(木曽町開田小学校校長先生)
会場 ふらっと木曽

会場となったふらっと木曽には、中川村、駒ケ根、伊那、木曽、大滝村、塩尻など広範囲から
集まりました。

林久美さんのお話

【今の時代の学校の現状、暗い話】

  • ICT、ネットモラル、人権、健康、LGBTQ、平和、環境、防災、SDG`s、自殺予防などなど、学校で教えなければならないことが多すぎる。

  • 保護者対応、部活動、コンクール引率、陸上競技引率など、先生が忙しい。教師不足。

  • 不登校、教室に入れないこどもの増加。

  • 下がる教員採用試験の倍率。上がる教員の療育休暇取得者。

開田小学校校長 林久美先生

【今の時代の学校は、それでもがんばっている】

  • 部活動の地域移行 

  • コミュニティスクールの広がり

  • 手厚い特別支援教育 

  • 好き、楽しいからうまれる、探求県、長野県

  • 宿題を考え直す→一律の宿題は、勉強嫌いにさせてしまうこともあると考えている。

【開田小学校のとりくみ(現在生徒は42名、先生は13名)】

  • 学校重点目標…

    • 自律 自分の頭で考え、自分で決めて、自分から行動しよう 

    • 共生 自分も相手も大切にし、話し合って分かりあおう。

    • ふるさと ふるさとで思い切り遊んで、ワクワク、ドキドキしよう

  • 地域の方が小学校を支えるしくみ、開田小応援団。応援団茶話会で学校の未来を語る。

  • 開田小学校が、自然、文化、伝統の継承地となり、移住者を含めた多世代交流の場に。

  • 開田地域を知り、学ぶ、開田巡りの授業・自由研究は好きなことをとことんやり、地域の文化祭で発表する。

  • 木曽馬を入学式、授業、運動会に取り入れる。

  • 放課後、バスが来るまでの間、地域のひとたちの見守りのなか、こどもたちが自由に遊び、過ごす「みちくさの時間」

現在の教育について語る林久美先生

林さんのお話をうけて、皆さんの感想やお話

  • 木曽にオルタナティブスクールをつくる会(キソツク)の活動紹介。開田の古民家を拠点に始めている。公立の学校以外にも多様な学びの環境があり、選択できることの大切さ。王滝小学校でも教員をしてきて、こどもたちに学校のルールを作らせる授業をした。宿題をなくすことに否定的なのは保護者であり、親とわかり合わなければならない。 

  • 息子二人が小学生のときに不登校になり、今も家で自分の探求したいことをして過ごしている。息子たちは、学校に行かなくなることで元気になっていったし、今の社会のことを自ら勉強して、考えている。下の息子さんいわく「今の学校は、先生にも生徒にも全然優しくないと思う。先生の労働条件もとても悪い。それでも学校という場は必要」

  • 木曽で子育てをしていて、教育のことが自分ごとになった。木曽郡内でも子育てなどの制度に差があると思う。自分が地域や教育について何ができるか考えている。学校と一緒になって、自分にできることがあれば協力したいと思う。

  • 木曽町で生まれ育って、当時は1学年が4クラスくらいあったけれど、今は1クラスになり、少子化を感じるし、狭い人間関係で煮詰まるのではないか、と思う。

  • ふらっと木曽は、高校生の使用を無料にして自習や放課後の場所としても開いている。

  • 息子が木曽町の小学校を行かなくなって、自宅にいる。今の学校は生徒も先生も忙しすぎると感じる。不登校の親同士が繋がる場もなく、教育についての話をききたかった。

  • 今は社長業をしているが、子供の頃を振り返ると、学習障害があったけれど、援助を受けられるような環境もなく、悩んでいた。

  • イタリアにいた頃、読み書きのできないハウスシェアメイトが、こどもの頃から学習支援がうけられていたと話していた。日本でもそのような支援があるとよい。

  • 高校中退をして行った大検予備校は、様々な社会問題の授業があり、大学の先生などの専門家が週に1度授業をしに来る体制があった。大人になった今でも糧になる素晴らしい授業やディスカッションの場があり、学びたいことが学べる場だった。

  • こどもの頃から学校への違和感があり、自分は通っていたけれど、厳しい言い方をすると、日本教育はサラリーマン養成機関になっている。何かに特化した教育があってもいい。

  • 旅をたくさんしてきて、魅力的な地域には、多様な学びの選択肢があった。

  • 駒ヶ根で地域おこし協力隊として、学校、地域、行政をつなげるサポートをしている。教育資格がなくても、学校に入ってサポートはできる。

  • 教員をしていて、宿題は人権侵害だと感じなくしたいが、共感してくれる方がおらず、苦しい。少子化にともない、小中一貫校になる。月一回、地域で学校について話す会を開催している。

  • キソツクで活動をしながら、王滝村で子育てをしている。教育を行政に頼りすぎてるのではないか?教育は、正解のないものに対してスキルを身につけるものだと感じる。

平賀裕子さんのフィンランドの学校を視察したときのお話

フィンランドの教育

  1. 試験がない
    学ぶことを学べる環境

  2. 誰ひとり取り残さない
    ハンディがあっても、わからない部分があっても、等しく学べる環境がある。助手の先生がいる。多様性の尊重。

  3. 教育に行き止まりがない
    就職した後もまた学ぶ機会に恵まれている。すべて無償。人の権利も尊重するし、個人の自由も尊重する環境。自分の幸せは自分で決められる。相手も自分もわかりあおうとする。

様々な地域や立場、経験からの多様なお話が聞かれ、情報交換とニーズを共有できる場となりました。最後に、親や先生がお互いに対話ができることが大切、というお話もでました。
教育や宿題のこと、今後もまたお話する機会があればと思います。 


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