小さな暮らし、「尽きない物欲」にさようなら
小さな暮らしを選んで、もう15年ほど過ぎたでしょうか。3LDKの小さな家に家族3人、リビングはダイニングテーブルだけ、夫婦の寝室にはシングルベッドとサイドテーブルだけ、仕事部屋には机2つ、子ども部屋1つ。誰からも憧れられる暮らしではありませんが、簡素でシンプルで心地よい空間です。
最近、仲間が豪邸を建てました。注文住宅で、それはそれはカッコイイ。一緒にお邪魔していたもう一人の方は、ため息をつきながら言いました。「私も家、建て替えたい」。その方は、まだ家を建てて5年ほど。その方のお住まいもお庭が広くて、とても素敵です。ただ「建て替えたい」という言葉は、かなり本音に聞こえました。
そこで、ふと浮かんだのが「尽きない物欲」という言葉。人は、どんなに素敵なものを持っても、たくさん持っても、物を追いかける限り、その物欲は尽きることはありません。もしかすると、たくさん持つほど、もっと欲しくなるのかも。
きっと、口にしても信じてもらえないと思いますが、小さな家に住み、最小限の物をもつ暮らしは、なんだかいつも幸せです。「強がりでは?」と思われるかもしれませんが、すみずみにまで、自分の気持ちが届いていて、どこか自由で、軽やかで、本当に心地いい。でも、この気持ちに賛同してくれる方って少ないんだろうなと思います。
だって、人は小さいより大きい方を選ぶし、少ないより多い方を好むし、古いより新しい方に憧れます。その逆に、揺るぐことのない幸せがあるなんて、なかなかみえないはず。
小さな暮らしを始めて、少しずつ、少しずつ、いろいろなものを手放して、いろいろなものから自由になって、今は好きな人達と好きな仕事をして、好きな毎日を過ごしています。
尽きない物欲にさようなら。小さな暮らしにありがとう。
今日も朝から、感謝の気持ちがあふれてきます。