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ミニマリストは目指すのじゃなくて、自然と到達するのが理想。
ミニマリストってなんか一つの事に全集中していてかっこいいよね。
そんな風に思っていた時期が私にもあった。そんなミニマリストに憧れて大学生の私は物を捨ててミニマリストになっていった。でも、ミニマリストになっても想像力が爆発してジョブズになれるわけじゃなかった。
なぜなら、順番が逆だったからだ。ミニマリストにまつわる勘違いと、過去に私が犯した間違いを紹介したい。
カーゴカルトとミニマリスト
カーゴカルトという言葉を聞いたことがあるだろうか。
パプアニューギニアの島々では電子機器などを殆ど使わない伝統的な生活を送っている部族がいる。戦時中、アメリカ軍は補給拠点とするためにそれらの島々に飛行場や港などを作っていった。それは、間接的に部族たちにも豊かな物質や食物を与えることとなった。
そして戦争が終わり、アメリカ軍は基地を全て放棄した。部族たちは連絡を取るすべもなく、豊かな恵みをもたらす白人(アメリカ軍)を待ち続けた。しかし、いつになっても彼らは巨大な鳥(飛行機)を見ることはなかった。
そこで、シャーマンがきっかけとなり儀式をはじめようになった。巨大な鳥(飛行機)が私たちに恵みをもたらしたのは、白人の儀式のおかげだと思ったのだった。
彼らは軍服のようなモノを用意し、木の枝を銃のように構え、飛行場を毎日規則正しく往復した。木で飛行機を呼び寄せるための車のような張りぼてを作りだした。
これが、カーゴカルトといわれるものだ。つまり何が言いたいかと言うと、恰好だけマネをしているのだけど、本質が伴っていないから何も成果を得ていないのだ。
恥ずかしながら。大学生の時の私だ。ミニマリストになってもクリエイティブになるわけじゃないし、マックブックエアーを使ってもデザインは上達しない。当たり前の話だ。
でも、これを私たちはよくやってしまう。綺麗な女優の宣伝する化粧水を塗っても女優のようにきれいにはなれない。プロの写真家と同じカメラを買ったところでプロのように感動的な写真を撮れない。プロテインをいくら飲んでも運動しなきゃ、中山きんに君にはなれない。
こんな例はいくらでもある。別にミニマリストが悪いと言ってるわけではない。過去の私のように、ミニマリストになることが目的化してませんか?という所を考えないといけない。
目的と手段の入れ違いがおこる
ミニマリストやシンプリストという生き方は無駄が無くてプラス面も多い。ここで私が注意喚起したいのはミニマリストになった後のことだ。
ミニマリストになったことで、あなたはモノが少なく、ある程度節約も出来て身軽な生き方ができるようになったとしよう。でも、そのあと、あなたには何が残るのだろうか。
ジョブズならクリエイティブがある。ミニマリストのブーム火付け役のジョシュアとライアンなら文筆業や講演がある。ミニマリストしぶさんも執筆業やプロダクトデザイン、ユーチューブがある。
もし、これが残るって自信満々に言えるものがないのだとしたら少し危険だ。全てを削っていった結果、人生の楽しみや、友人、何もかもを手放そうとしてしまう可能性がある。なぜなら、ミニマリストになること自体が目的となってしまうから、それを突き詰めていくしかないのだ。
でも、本当はそうじゃない。ミニマリストっていうのは、自分の何か大切にしている活動に集中するために、手段としてやるものだ。例えば、受験頑張りたいからミニマリストなる。子育てに集中したい。仕事に集中したい。何か目的をもってならないと、ただ自分が消えていってしまう。
ミニマリストは全てを削減することが目的じゃなくて、何かを強調するための活動であることが忘れがちだ。ジョブズだって毎日タートルネックを着てた理由は、仕事にめちゃくちゃに打ち込むために他のいらない考えとかを捨てるためだ。
だから、ミニマリストやゆるミニマリストになるためには何か自分の人生の中で、これを頑張りたい!っていうものとセットでやらないといけない。そうしないと、ただモノを削っていき、楽しみがなくなったり、ただモノを買っては捨てるというミニマルとは逆の超消費生活に陥ってしまう。
なんでもいいけど、これを頑張るために生活をシンプルにしようっていう目標があれば、ミニマルになっても頑張っているあなたが残る。そういったミニマリストが私は良いと思う。
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