回想法~その2~
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2019/02/08 第504号
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【 回想法~その2~ 】
こんにちは、メンタルアドバイザーのにんじんです。
前回に続いて、今、学んでいる回想法についてお話をします。
回想法は、人生を振り返り過去を回想することによって、自分自身の人生を肯定し受容し、これからの人生に向かって前向きな思いを生み出すそうとする手法です。特に、様々な人生経験をした高齢者には、脳を活性化し情緒を安定させ認知症の進行予防につながる可能性があると言われています。
米国の精神科医であり初代のアメリカ国立老年学研究所長のロバート・バトラーは、心理療法として「回想する過程は、しばしば癒す力の効用がある」として回想法を提唱しました。
バトラーの提唱は日本にも紹介されました。日本では認知症高齢者への回想法が中心でしたが、現在では一般高齢者など多面的に展開をしているとのことです。バトラーは「高齢者は人生の中で生ずるすべての出来事を一つ一つ語りながら、人生の意味を再解釈し人生を再構築する」と論じています。
日本に回想法を紹介した東洋大学の野村豊子氏は「過去の出来事、出会った人々、懐かしい場所や景色、聞き覚えのある声や歌、昔に味わった食べ物などを当時の様々な思いと共に回想する。特に高齢者には、それまでの人生を振りかえり、様々な過去の記憶や思い出に親しむ傾向が認められる」としています。
実際に回想法をやってみると、懐かしい写真や道具を見て、古い記憶や思い出を語り合い楽しい時を過ごし脳に刺激が与えられるようです。脳を活性化させ、情緒を安定させ、ひいては高齢者の心の安定や認知症の予防・進行抑制につながるなどの効果が回想法に期待されます。
回想法のやり方として、「個人回想法」と「グループ回想法」があります。私が現在、学んでいるのは一般高齢者を対象としたグループ回想法です。参加者の共有できそうなテーマを決め、話がスムーズに進むかじ取り役のリーダーとそれを助ける役割のコ・リーダーを入れて7~8人で1時間くらい語り合っていきます。大切なことは、勿論、人の話を遮ったり否定したりすることなく、皆で思い出を受容していくように進行していきます。
現在、回想法は欧米のみならず、日本においても、病院や特別擁護老人ホームなどで回想法が行なわれています。そして、高齢者の認知症予防や認知症患者の心理療法やリハビリテーションに活用されているとのことです。
既に、認知機能改善・認知症の症状を遅らせる取り組みとしてレクリエーションの一環として行っている自治体や介護施設もあります。また、一人暮らしの高齢者が増えている今、語り手になり聴き手になって思い出を共有する人とのつながりを体験することは生きる力になっていくのではないかと思います。
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