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認知は8割以上。しかし購入へのあと一歩が足りない。課題解決に「キュレル」が行った新たな価値の届け方

「北欧、暮らしの道具店」と、企業様とのタイアッププログラムである「BRAND NOTE PROGRAM」。お取り組み企業担当者様インタビューでは、抱えていた課題や一緒に取り組んだことで得た気づきなどを担当プランナーと一緒に振り返っています。

今回は、2020年12月に実施したキュレル ローションと、北欧、暮らしの道具店オリジナル番組「わたしの好きな時間」の番組タイアップ動画の取り組みを振り返ります。

お話を伺ったのは、花王で「キュレル」を担当する南部有俊さん。キュレルは、1999年の誕生から一貫して「乾燥性敏感肌の悩みにこたえて、明るい気持ちを届ける」ことを大切にしているスキンケアシリーズです。

お取り組み前に「商品に対する信頼や機能的な良さは一定のレベルで伝わっているものの、一部の生活者には心理的距離を感じてしまわれる方がいる」と話していた南部さん。キュレルとして新しい試みとなった価値の届け方について、担当プランナーの星野が話を伺いました。

南部 有俊
花王株式会社
化粧品事業部門マステージビジネスグループキュレルグループ

なんとなく自分向けじゃない。
心理的距離を感じている人がいるかもしれない

星野
キュレルといえば、乾燥肌の悩みに寄り添ってくれるメディカルな印象がありますよね。

南部
ありがとうございます。キュレルは乾燥性敏感肌向けに作られたブランド。乾燥性敏感肌の原因が「セラミド」不足にあることに着目し、その働きを補って、潤った健やかな肌に保つことを大事な提供価値としています。

そのため、一般的なスキンケアと医薬品の真ん中の領域にある存在。そういうところがお客さまに伝わっているからこそ、星野さんが抱いてくれたようなイメージがお客さまにもあるのだと思います。

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ただ一方で、そうした機能的価値は伝わっているものの、心理的距離を感じてしまっているお客さまがいるのでは?というのが私の一つの懸念であり、課題として感じていた部分です。

肌に乾燥などの悩みがあるけど「なんとなく自分向けじゃない」「キュレルを使うほどではない」と、排除されているのではないかと。

星野
お打ち合わせのときにも、心理的距離を埋める取り組みがしたいとおっしゃっていましたよね。

情緒的価値と機能的価値。
心に残る伝え方のバランスを描く

星野
心理的距離を埋めようと思った時に、どうして「北欧、暮らしの道具店」とのタイアップを考えていただけたのですか?

南部
私自身が普段から夜に「北欧、暮らしの道具店」を見ていて、記事や扱う商品の伝え方に心地良さを実感していたからなんです。

ECでありメディアでもあるブランドで、まるで雑誌のように1つの世界観をつくりあげていますよね。そこには「自分にフィットするものを、がんばりすぎず選ぶ」人たちが集まっている。

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そうした考えを持つ人たちとキュレルはきっと合うだろうなぁと。さらに、いつも「北欧、暮らしの道具店」さんで行われているように、暮らしの中にそのアイテムがあることをすんなりとイメージできる伝え方をしてもらえたら、キュレルのことを「なんだか好き」と、心理的距離を縮められると思ったんです。

星野
いち読者として、楽しんでいただけていたんですね。

南部
情緒的価値を描くとき、メディアの世界観に乗っかるだけだと結局「何がいい」のか頭に残らないこともあります。

「北欧、暮らしの道具店」は、機能的価値と情緒的価値のバランスを取るのが上手。どういう見せ方や表現を読者やお客さまが好きかを、しっかりと把握していることが伝わってきました。これまであまり取り組んだことのない情緒面を描いてもらうのに心強いと思えたんです。

星野
南部さんが言った機能的価値と情緒的価値のバランスを取ってコミュニケーションすることは、まさに私たちも常に意識している部分で。商品を信じられる理由(機能的価値)と商品に共感される理由(情緒的価値)があって、初めて商品が選ばれる。どちらかだけだと、お客さまの心に残らないんですよね。

今回、機能面は別の施策で、情緒面は番組タイアップの「私の好きな時間」でと、全体のプロモーション施策で役割を分けて取り組んでいらっしゃいましたよね。

その商品を必要とする、
“動機“があるからこそ描けるストーリー

星野
今回のお取り組みは、キュレルにとって新しいチャレンジ。信頼いただけるのはうれしい反面、私たちとのタイアップは初めてで、しかも当店としても初の試みとなる「番組タイアップ」(※)でした。

※「北欧、暮らしの道具店」YouTubeチャンネルで人気の番組とタイアップした動画コンテンツ。

そんな初めてが重なるなか、南部さんは不安な気持ちをもたれませんでしたか?

南部
すでにその番組を好きな人に、違和感を与えないかが不安でしたね。ファンのいる番組の中でキュレルが生活の中に溶け込んでいたら成功。一方で、広告感が出すぎたら、誰もうれしい気持ちにならないなと……。

そうした気持ちがあったのですが、星野さんから「タイアップしましょう!」と言っていただけた。それで「大丈夫なんだろう」と背中を押されました。

星野
はい!私たちとしては、絶対にいい取り組みができると思っていました。

南部
そうした言葉通り、お取り組みが始まって番組の企画コンテをもらったとき「まさにこういうストーリーです!」って思いましたよ。

仕事が忙しいとき、充実感がありながらも、なんだか心がざわざわすることは私にもあります。いつも使っているキュレルが安心感をくれて、普段の自分を取り戻すきっかけの1つになっている……というストーリーがすごく良くて。自分では考えられなかったですね。

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星野
オリエンの際、「キュレルを普段の生活になじむように入れてください」とおっしゃっていましたよね。

私たちがお取り組みをするときには、普段の暮らしに感じる悩みや「どうありたいのか」という動機を大切にしています。

社内の編集チームと企画を考えていたとき、忙しいときこそ「いつも通り」の習慣が自分を取り戻すきっかけになるよねと話していたんです。そこから、「いつも使っている安心できるものを使いたい=そうした存在がキュレルだよね」を伝えることがお客さまの心にも響くと考えました。

南部
それが考えられるのは、サイトを訪れるお客さまがどういうところに喜びを感じて、どういう課題を持っているかを知っているからですよね。

自分でも戒めとして感じているのが、マーケターとして日々取り組んでいると、キュレルを主語にして世界を見てしまいがち。お客さまから見たら、生活の一部でしかないわけですよね。

もちろん、自分たちのブランドが主語になることがあってもいいんですけど、心理的距離感を考えることも重要。今回はこちらが主語になることが目的ではないので、御社にお任せするほうがいいものができると思いました。

星野
撮影中に、南部さんが「これ、キュレル出過ぎじゃないかな」とお話されていたのを覚えていて。どうしたらお客さまに喜んでもらえるものをつくれるか、一緒につくりあげていく現場でしたよね。

約6分の番組で視聴完了率は37%!
レポーティングには次の施策のヒントも

星野
お取り組みをする以上、成果が出ることも大切です。今回の視聴完了率は37%と高い数字が出ました。ちなみに、過去にキュレルが手がけたものと比較した場合はどうでしょうか……?

南部
間違いなく高いといえますね。たとえば、ブランドのWEB動画を動画サイトで広告配信する場合、尺が30秒で完全視聴率が40%いけばいいほうです。今回のタイアップは約6分の番組で37%。平均視聴時間は3分ありました。一般的には、長尺になるほど、完全視聴率が大幅に下がってしまうことを考えると、今回の数値はとても素晴らしいと考えています。

同時期に別媒体でも取り組みをしているので、御社とのタイアップがすべてとは言い切れませんが、20-30代の敏感肌意識者の女性に対してキャンペーントレース調査をかけた結果、番組タイアップを見た人が全体の14.4%で、そのうち31.9%がキュレルを購入していました。これはいい結果といえますし、社内でも情緒的価値を伝えることに理解を得られやすくなったと感じています。

星野
最終ゴールは購入や継続理由ですし、そこにつながることが数字でも出たことにほっとしました。

私たちからは毎回お取り組み後にレポーティングで今回の取り組みで集まったお客さまの声をもとに、次はどういった施策がいいのかをお話しています。

今回でいえば、当店のお客さまでアンケートに答えてくださった方のうち、キュレルの認知率は9割以上。継続している人は2割程度でした。お客さまの声には「使っている自分をイメージできた、これをきっかけに手に取りたいと思った」というコメントがありました。

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南部
その数値は、私たちが把握している認知や利用意向と近いです。認知はされているけど、使っていない人へのアプローチがいかに重要かを改めて実感しましたね。

生活の中にキュレルがあることでどんな価値がもたらされるのか。それが伝わることで、購入に一歩手が出なかった方へのひと押しになったのだと思います。

モノとしての良さを伝えながら
「なんだか好き」と思ってもらえる信頼関係も築く

星野
改めて、キュレルが暮らしにもたらす価値を自然に描くことで、共感いただき、結果につながったお取り組みだったと思っています。南部さんはいかがですか?

南部
私としても、これまでのキャンペーンと異なる訴求ができたことは大きなチャレンジでした。それで結果も出ましたから。社外はもちろん、社内からも評価が良かったのは大きなポイントです。

モノとしての良さを伝えることはもちろん、「なんだか好き」と思ってもらえることが成果にもつながるという気づきは、自分自身の学びにもなりました。日々の暮らしに、キュレルがどういった価値をもたらしてくれるのか。今後は、そこから生まれる信頼関係も紡いでいけたらと思います。

                             (おわり)                          

書き手:南澤悠佳

※花王 キュレルとのお取り組みは以下よりご覧いただけます

「北欧、暮らしの道具店」と企業様のお取り組みについてのご案内はこちら

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