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ローカルなものを勝手に応援シリーズ第3弾・白バラ牛乳!

これまで、くらしアトリエはこの「時々、コラム。」の中で「勝手に応援」と題し、自分たちが大事にしている地元の会社や商品について思いを綴ってきました。

例えば「南目製粉」さんの「ナンメのきな粉」について。

またある時は、一畑電車について。

いいものだから、応援したい、知ってほしい、伝えたい。
そんな気持ちから、誰に言われたわけでもないのに勝手に発信をする、というコラムです。

今日はその第3弾。

鳥取の牛乳ですが、島根の方にも馴染みが深い、「大山乳業農業協同組合」について、思いを綴ってみようと思います。

大山乳業、と聞いても県外の方にはイメージが沸きづらいかもしれませんが、「白バラ牛乳」と聞くと、中国地方や関西地方の方には「ああ」と分かってくださる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そう、大山乳業は「白バラ」というブランドで有名な酪農の組合であり、乳製品の製造企業です。鳥取県では唯一の乳業ブランドであり、隣の島根県でもごく当たり前に各地のスーパーで「白バラ牛乳」を買うことができます。

山陰に暮らす人にとっては、あって当たり前なのが「白バラ」。

そんな「白バラ牛乳」に注目したきっかけは、山陰地方限定で放映された、NHKのドキュメンタリー番組でした。

この番組の中で、「1リットルの牛乳パックの生乳を製造するのに、酪農家が30円赤字を背負っている」という説明がありました。

酪農をめぐる問題は全国的に以前から取り沙汰されていますが、地元の酪農家がどんな状況なのか、目の当たりにする機会は今まであまりありませんでした。

でもこうしてテレビを通じて苦悩する皆さんの姿を見て、あらためて、身近にありすぎて考えることもなかった「白バラ愛」を語ってみたい、と思ったのです。

私は鳥取県出身なので、小学校・中学校と、学校給食には白バラ牛乳が毎日、ついていました。
だから、白バラ牛乳といえばまず、「給食の牛乳」というイメージ。

実家ではクリスマスケーキも白バラだったし、本当に生活に密着していた記憶があります。

また、幼い頃ですが、祖父母が乳牛を飼育していて、その牛乳は白バラへ運ばれていました。
朝、牛の乳しぼりが終わると、つめたーい地下水が貯められた貯水池のようなところにミルク缶を運び、その水の中に浸けておきます。そうすると1日1回、白バラさんのトラックがやってきて、ミルク缶を回収してくれるのだ、と聞きました。

鳥取県の中部に暮らす人々にとって、多かれ少なかれ、そんな「白バラとのつながり」があります。小学校の社会科見学で工場の中に入り、帰りにできたてのシュークリームをもらったり、高校になったら自動販売機でフルーツ牛乳を買うのが流行ったり。

そして、結婚して島根に来ても、スーパーであの白地に赤と緑が眩しいパッケージを見つけると、なんだかホッとしたものでした。

数年前にヨーグルトメーカーを購入してからは、白バラ牛乳でヨーグルトを手作りするのが日課です。何種類かの牛乳で試したのですが、我が家では白バラ牛乳で作るヨーグルトが一番、味がいいんじゃないかという検証結果になりました(個人の見解です)。

また、バターもよっぽどのことがない限りは「大山バター」を利用しています。牛乳をそのままバターにした、というような白い色が特徴で、余計なクセや臭みがなくて、さまざまな料理と合わせやすい。パンとの相性もぴったりです。
他のメーカーのバターよりほろほろっとしているので、朝食用にあらかじめラフにカットし、食卓に上げています。

今回、前述したテレビ番組を観て、白バラ牛乳を取り巻く環境についてあらためて調べてみました。

一番驚いたのは、「鳥取県内の酪農家はすべて大山乳業農協の組合員である」ということ。
 自らが生産した生乳を処理し、販売するという一貫体制が敷かれています。
これは、全国でもとても稀なことなのだそう。

鳥取県内の酪農家から搾られた生乳は、すべて大山乳業農協に集められ、牛乳をはじめ様々な乳製品へと加工されます。

一貫した体制がとれているので、県内で飼育されている乳牛の体調、血統、乳量や成分などを細かくチェックし、検査することができます。なので、大山乳業農協は「牛群検定実施率」99%以上、21年連続全国第1位なのだそうです。

つまり、鳥取の酪農=白バラ=おいしい、という構図が、ずっと昔から続いているということなんですね。

大山には「大山まきばみるくの里」という施設があり、何と言ってもソフトクリームが人気(3月17日まで冬季休業です)。

また、琴浦町の工場敷地内には「カウィーのみるく館」という直売所があって、バラエティ豊かな白バラの商品が販売されています。

先日この「カウィーのみるく館」に行ってきました。

スーパーなどでは売っていない食塩不使用のバターや、白バラのオリジナルグッズなどが販売されていますが、この日のお目当ては「チーズ」。

私も知らなかったのですが、昨年から新商品として、クリームチーズなど3種類のチーズの販売をされているのです。

クリームチーズはなめらかな食感と上品な味わいで、料理との相性も良さそう。

天気の良い日に事務所の前庭で、パンと合わせてランチを楽しみました。

松江市の「四方」さんのベーグルに、「大山ハム」の直売所で買ったスモークハム、そして、白バラのクリームチーズ。

地元のおいしいものでできたベーグルサンドです。ボリュームもあって、チーズの酸味がほのかに感じられて、おいしい!

もうひとつは、こちらも「四方」さんのカンパーニュに、白バラのクリームチーズ、そして自家製のブルーベリージャムを乗せて。

色合いがきれいで、酸味と甘みが絶妙で、とってもおいしくいただきました。
こうして、手近な材料でもかわいいランチができあがると、気持ちが上がります。

白バラは、私にとっても、鳥取で暮らす人にとっても「ソウルフード」とも言えるもの。

同じように島根には「木次乳業」があり、島根に暮らす人にとって誇りとも言える企業です。

お住まいの地域にも、地域に根差した酪農家がいて、乳業メーカーがあって、支え、支えられているのだと思います。
生活の中に当たり前に根差しているこれら、「地元のいいもの」を、あらためて見つめ直し、応援していく。
これも、「シビックプライド」を高めるひとつのツールだと思っています。

皆さんも、乳業メーカーに限らず、地元に当たり前にある「いいもの」にいま一度、目を向けてみてはいかがでしょうか。

新たな気づきや、おいしい発見があるかもしれません。

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くらしアトリエ(地域と暮らしの発信)
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