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過度にドラマティックな編集はしない、「北欧、暮らしの道具店」のドキュメンタリー5つの特徴

こんにちは。クラシコム広報の馬居です。

先日、北欧、暮らしの道具店のYouTubeチャンネルで公開した『あさってのモノサシ』第3弾、内田也哉子さん登場回が公開1週間で50万回再生を突破し、これまでに百数十件超える感想が届くなど、大きな反響をいただいています。

あさってのモノサシ』は私たちが初めて挑戦した長編ドキュメンタリー番組として、これまでに3作を公開しており、どの動画も非常に多くの方にご覧いただいています。

そこで今日は、北欧、暮らしの道具店がYouTubeで公開しているドキュメンタリーについて、改めてその特徴をまとめてみたいと思います。

ちなみに最近クラシコムは、空前のAIブームとなっておりまして(笑)、各所でその活用をあれこれ試している最中です。そこで、今回のこの記事も、これまでに取材いただいた動画に関するインタビューや、その時々の現状を公表したプレスリリースをChatGPTに解析してもらった内容をもとに構成してみました。

*解析の元になった記事は、末尾にまとめていますので、ぜひご覧ください。


北欧、暮らしの道具店のドキュメンタリーって?

北欧、暮らしの道具店のYouTubeチャンネル

「北欧、暮らしの道具店」は、商品を販売するだけでなく、レシピ・インタビュー・ポッドキャスト・動画など、さまざまなコンテンツを通してお客さまとつながることを非常に大事にしています。

その中でも近年注力しているのが、YouTube動画です。北欧、暮らしの道具店のYouTube動画には、大きく分けてふたつのジャンルがあります。

ひとつは、2021年に映画化もされた『青葉家のテーブル』や、シリーズ合計1,300万回再生を突破した『ひとりごとエプロン』など、俳優さんたちが演じるドラマ作品です。

そしてもうひとつが、さまざまな人々の暮らしを撮影したドキュメンタリーシリーズであり、北欧、暮らしの道具店のYouTube動画のほとんどはこの形です。

今日はこの後者のドキュメンタリーにおける、北欧、暮らしの道具店のYouTube動画の特徴をまとめたいと思います。

特徴1:特定のYouTuberを立てない企画構成

一般的なYouTubeチャンネルでは、特定の方やグループがユーチューバーとして中心となり、企画が展開されることが多いと思いますが、北欧、暮らしの道具店は動画ごとに異なる方に出演いただくところが大きな特徴のひとつです。

番組によっては、北欧、暮らしの道具店の店長・佐藤が中心になる番組や、スタッフが主に出演するものもありますが、多くの動画は企画に沿って社外の方々にご出演いただいています。

特徴2:複数の「番組」で構成

私たちのYouTube動画は、単発の企画ではなく、テレビのように「番組」として企画を立てていくところも一つの特徴です。

『北欧をひとさじ』や『1時間あったら、なにをする?』といった独自の企画もあれば、YouTube上ですでに人気のあるモーニングルーティンなどの枠組みでつくることもあり、同じシリーズで複数の動画を公開し、「番組」として育てていきます。

◆主なドキュメンタリー番組

暮らしの本音『うんともすんとも日和
トークドキュメンタリー『あさってのモノサシ
モーニングルーティン『わたしの朝習慣
暮らしにエッセンスを『北欧をひとさじ
本当にやりたいことを考える『1時間あったら、なにをする?

特徴3:短尺な動画を中心に構成

今回、内田也哉子さんに出演いただいた『あさってのモノサシ』は、北欧、暮らしの道具店にとって初めての長尺のドキュメンタリー番組ですが、つまりは、これまで基本的に私たちは10分前後で気軽に見れる短尺の動画を作ってきました。

その理由の一つは、まず私たちのお客さまは大変忙しいという前提を持っていたからです。家事、仕事、育児と、切実な暮らしの中で、どれだけお客さまと共に時間を過ごせるか、私たちはいつもそのことを考えています。

2020年にお受けしたインタビューでも下記のようにお話しています。

「30代から40代の女性は忙しくて、1日のうちに自由になれる可処分時間は1時間くらいではないでしょうか。(中略)

笑ったりちょっとウルッとしたりして、自分の心や感情の動きを確認する作業は、忙しいからこそ大切ですし、求める人が多い気がします。そこで、彼女たちが見たいであろうコンテンツを、短めの尺で作っていくことにしました」

2020/07/28 Marketing Native 代表・青木インタビュー

そして、時が経ち、現在も私たちのYouTube動画の中心は10分程度の短尺動画ではありますが、スマホで動画を見ることが広く浸透する中で、縦型の更に短い数十秒から数分のショート動画も人気を得ています。

しかし、その一方で『あさってのモノサシ』のような30分〜1時間程度の長尺動画に大きな反響をいただいていることから、尺については今後もさまざまチャレンジしながら、試行錯誤を繰り返したいと思っています。

特徴4:過度なドラマティックさを避ける編集

ドキュメンタリーは、脚本などがあるわけではないので、撮影中に思いもよらないエモーショナルな場面に立ち会うこともあります。そういった際にも、北欧、暮らしの道具店の動画は、あえて過度に感情を揺さぶる編集を避けることがあります。

それは特徴3ともつながる、可処分時間が限られるお客さまにとって、家事や仕事をしながらみる「ながら見」されることを考え、過剰な盛り上がりをつくらず、暮らしに馴染んだ動画をつくることを意識しているからです。

もちろん集中して見続けていただいても面白い内容であることは大前提ではあり、バランスの問題にはなりますが、この編集方針は北欧、暮らしの道具店ドキュメンタリーが多くの方に見ていただいている大きな理由の一つではないかと思います。

「今はコンテンツが飽和していて、可処分時間の取り合いが激しい時代です。それにも関わらず、『北欧、暮らしの道具店』公式YouTubeチャンネルに足を運び、約10分の動画を見ていただくのは非常にありがたいことですし、集中して見てもらうのは非常にハードルが高いこと、かつ高望みではないかと思っています。

 そこで、より多くの方に動画を楽しんでもらうには押し付け感を排除し、気楽に楽しめる余白が必要ではないかと考えました。動画チームではよく『お皿洗いなど、家事をしながら見られる動画か』『アテンションが多すぎず、生活の中で自然体のまま一緒に過ごせる動画か』といった議論をしています」

2024/12/18 EC Zine スタッフ田中インタビュー

動画制作の際に意識していることを聞くと、佐藤氏は「入れた方が面白いし、劇的な映像になるけれど、リスクが高い演出や表現はカットする。たとえ面白くなくなってもいいので、“トルツメ(編集部注:余分なものを削除した上、空いた部分を詰める校正用語)”編集をすることがとても多い」と語る。当然、再生回数などの数値は指標としてチェックしており、評価もしている。より多くの視聴者に広がることを目標に企画するテーマももちろんあるが、対象は不特定多数ではなく、「バズろうと思ってつくっているコンテンツはない。1度で心をつかむというより、がっかりさせないことの方が長期視点で見ると大事」(佐藤氏)という。

2022/05/16  日経クロストレンド 取締役副社長・佐藤インタビュー

特徴5:幅広い視聴者層にフィットする動画をめざして

出演される方の年齢層が幅広いことも、「北欧、暮らしの道具店」のドキュメンタリーの一つの特徴になります。特に人生の先輩方にご出演いただいた回は、20代・30代を始めとするさまざまな年齢層から大きな反響をいただいています。

「『あさってのモノサシ』という企画では50代から60代の方に出演いただき、トークドキュメンタリー仕立てで今後の人生について考えるきっかけを提供しています。このコンテンツは、出演者と同年代の方に共感いただけると思っていたのですが、20代や30代の視聴者も意外と多く、ありがたい感想をいただいています。」
「年代といった属性軸だけでなく、趣味嗜好や望む生き方など、切り口は多様であると気づかされました。」

2024/12/18 EC Zine スタッフ田中インタビューより

これらの反響は数字にも顕著に現れています。

当初は若年層が北欧、暮らしの道具店を知るきっかけとして活躍していたYouTubeチャンネルでしたが、北欧、暮らしの道具店に多い顧客層であるF2 F3層を意識した番組作りを進めることで、35歳以上の視聴者比率は2018年と比較して+34%し、2024年には45歳以上が56%を占めるまでに視聴層が拡大しました。

2024/10/15公開、チャンネル登録者数60万人突破プレスリリースより

試行錯誤は続きます…

と、5つのポイントでまとめてみましたが、私たちやお客様を含めた世界をとりまく状況も、技術の発展やプラットフォームのアップデートも止まらない日々の中で…試行錯誤は続いています。

「フィットする暮らし、つくろう。」をミッションに、誰のものさしでもない、自分のものさしで心地よいと思える暮らしづくりのお手伝いをしたいという思いですべてのサービスを展開している私たち。

ドキュメンタリー動画は、さまざまな方々の暮らしのなかから、そのヒントをみつける大事なコンテンツとして、これからもコツコツ育てていきたいと思います。

ぜひ、北欧、暮らしの道具店のドキュメンタリーを覗いてみてくださいね。

参考リンク

▼北欧、暮らしの道具店YouTubeチャンネル

▼『あさってのモノサシ』第3弾内田也哉子さん登場回

▼本記事の参考リンク

◉プレスリリース
・2024/10/15 [公式YouTubeチャンネル登録者数60万人、総再生回数1億5000万回、総再生時間1000万時間突破](プレスリリース)
◉インタビュー
・2024/12/18 [EC Zine:「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeチャンネル 6年運営するスタッフの姿勢から紐解く愛される理由]
・2022/05/16 [日経クロストレンド:バズらなくてもいい!? 「北欧、暮らしの道具店」YouTubeの作法
・2020/07/28 [Marketing Native:目指すは映像レーベル。「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeチャンネルが人気の理由とは?


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