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2025年7月期 1Q決算を振り返って
12月13日、25年7月期 1Q決算説明会を開催
クラシコムは、12月13日に2025年7月期 1Qの決算を発表しました。
当日の様子は、クラシコムのコーポレートサイトで動画と書き起こしを掲載しています。
ぜひご覧ください。
当説明会には、機関、個人の投資家の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。
代表取締役社長の青木、取締役CFOの山口から決算報告をした後、質疑応答では計18問のご質問にお答えしました。
この記事では、2025年7月期 1Q決算の振り返りとして決算発表内容の概要と、その後に行われた機関投資家等とのIR取材における主な質問やフィードバックについても報告したいと思います。
決算発表内容の概要
マーケティング投資により購入者数が増加し、四半期売上高は過去最高
当1Qの連結売上高は前年同四半期から7.7%成長し19億円弱となり、四半期売上高としては過去最高を記録しました。
前期末の決算説明会でご説明した成長戦略に従い、1Qはアプリダウンロード訴求広告の規模拡大とTVCMのテストを行いました。アプリダウンロード訴求広告が非常に好調で、「北欧、暮らしの道具店」の購入者数(全体)は、前年同四半期から11.7%成長し過去最高の9万9千人となっています。
それを分解すると、新規購入者数は上場来最高、継続・復活購入者数は過去最高となり、どの区分の購入者数も順調に伸びています。
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プラットフォームの成長を示すエンゲージメントアカウント数もアプリが牽引し、当1Q末時点で約825万アカウントと前期末から約40万アカウント増加しています。
2025年7月期 通期業績予想および配当予想を上方修正
1Q業績は期初業績予想の前提となる計画を上回る結果だったこと、足下のマーケティング投資の効果が好調に推移していることから、1Q決算後というタイミングではありましたが通期業績予想を上方修正しました。
連結売上高は期初の業績予想から2億円増額し、82億円(前期比16.9%成長)となる見通しに修正しています。
「北欧、暮らしの道具店」セグメントの売上高は前期比18.8%成長を見込んでおり、前期の成長率である10.2%を大きく上回る成長見通しとなっています。
マーケティング投資を拡大することで成長を再加速させるという成長戦略を推し進め、順調に進捗しています。
業績予想の上方修正に合わせて、当社の株主還元ルールにもとづき期末配当予想もアップデートしました。
結果として、期初は1株当たり20円の配当予想でしたが、25円に増額しています。
1Qに実施した主なマーケティング投資の内容と効果
従来から行っていたアプリダウンロード訴求広告の増額とマス広告のテストが主な1Qの投資内容となっており、広告宣伝費は約2.7億円となりました。
アプリダウンロードを訴求するオンライン広告は、1年以内に回収できる水準という目安の中で順調に投資額を拡大できています。結果としてアプリダウンロード数は増加し、売上高や新規購入者数も大きく伸ばすことができました。
また、マス広告のテストとして、関西地方限定でのTVCMを放映しました。1Qの広告宣伝費のうち、約8,500万円が当該活動に関連して投資された額となります。関西地方限定だったため売上全体へのインパクトは小さいものでしたが、「北欧、暮らしの道具店」の認知度向上や既存ユーザーのTV視聴率の高さを確認するなど、今後のマーケティング活動を検討するためのテストとしてしっかりと成果を出すことができました。
商品面での成長戦略(カテゴリの花束戦略)
今期から取り組んでいる需要側へのアプローチであるマーケティング戦略は説明してきたとおりですが、提供する商品を拡充することで購買動機を増やし、購入者数や購入金額の増加を狙うカテゴリの花束戦略も手を休めることなく進めています。
「北欧、暮らしの道具店」限定商品として発売したNoritake様とのコラボ商品は、非常に大きな反響がありました。歴史あるブランドとの限定コラボといった取り組みは、当社の販売力が大きくなっているからこそ双方にメリットのあるものとして、今後も展開しうる楽しみな領域と考えています。
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また、注力しているコスメ分野では、基礎スキンケアのオリジナル商品を初めて投入し、こちらも24年10月末に発売してから順調に売上数量を伸ばしています。
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1Q説明会後の機関投資家の皆さまとの主な対話内容
総論
1Qが終わった時点で業績予想を上方修正したことについて、想像以上に投資家の皆様からは驚きをもって受け止められたという印象が強かったです。
当社としては従来からのスタンスを変えているつもりはなく、業績予想は現実的な見通しに基づき開示しており、社内の見通しに変更があれば開示基準に達していなくてもできる限り適時に開示することで、内外の情報格差は少なくすることが適切であると考えており、その考えに基づいて今回も業績予想の修正を行いました。
もちろん25年7月期の通期決算発表まで9カ月残っている状況で修正することに一定の怖さはありましたが、合理的に検討したうえで社内的な見通しをアップデートを行ったので、その結果を投資家の皆様ともシェアすることとしました。
【QA】上方修正に踏み切れた大きな要因は何か?
マーケティング投資により、新規アプリダウンロード数が安定して高い水準になっており、結果として新規会員数や新規購入者数を狙い通り伸ばすことができています。それを実現しているのが、日々オンライン上で行っているアプリダウンロード訴求広告による成果です。このように継続的に運用できるマーケティング活動によって安定した成果が得られているため、通期の見通しをある程度の精度でアップデートすることが可能となり、それに基づき上方修正を行いました。
もちろんマーケティング投資の効果に変化があれば、今回の見通しに影響が出てくる可能性もありますが、1Qの決算発表時点でそういった変化は起きておりません。今後もし変動要素が現れた場合には、適切なタイミングでまたアップデートを行うつもりです。
【QA】「北欧、暮らしの道具店」の1Q成長率は12%だが、本当に年間成長率19%弱は合理的なのか?
アプリダウンロード訴求広告は当然ながら、テストとして行ったTVCMについても「北欧、暮らしの道具店」のアプリダウンロードに繫がる内容となっていました。
そのため、今のマーケティング活動は基本的にエンゲージメントアカウントの拡大に貢献するものであって、商品購入をダイレクトに狙ったものではありません。つまり潜在顧客を積み上げている状況であり、売上にヒットするまでにはタイムラグがあることをご理解いただきたいと思います。
このようなマーケティング活動のため、その成果は投資拡大の初期よりもある程度潜在顧客が積みあがった後にこそ実現してくるという想定をしています。結果として、1Qよりも2Q以降の成長率を高く見積もっており、年間成長率としては19%弱となりました。
【QA】更なる上方修正の可能性について
当社は物を売っているので、マーケティング活動による需要喚起と買いたいと思っていただける商品の提供が嚙み合った時に売上が実現します。そのため、売上の見通しには商品の供給量も大きく影響してきます。春夏ものも含めた今期の商品の発注はほぼ完了しているため、売上高を今回の業績予想から大きく伸ばすことは現実的ではないと考えております。
一方、利益については、マーケティング投資の規模により変動する可能性はあります。広告宣伝費10億円という枠の中でどのようなバランスで投資していくかは、全体の予算感や投資対効果などの観点から検討中のため、投資額を今期は最大まで使わないという意思決定が今後されれば、その分は利益を押し上げることになります。
今後の決算発表や意思決定のタイミングで、業績予想の前提について変更があれば結果として数値に変更がない場合でも丁寧に説明をさせていただく予定です。
【QA】foufouの今後について
足下は苦戦していますが、中長期的な期待感は変わっていません。PMIの1年目だった前期に会社としての経営体制の構築は完了し、2年目となる今期は中長期の成長に向けた取り組みを進めています。
マーケティングによる潜在顧客の獲得、価格戦略を含めた商品政策の改善、大手百貨店でのポップアップ開催によるリアルでの接点を試すといった様々な取り組みを同時並行で進めています。
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