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【価値観を形づくる宿】 2. 小学生の憧れを刺激したメゾネット「蓼科東急ホテル」

うっかり続いてしまった2本目、極めて個人的な宿泊施設にまつわる記憶の話です。

なぜ泊まったのか、何をしにいったのかは全く思い出せなくとも、あるワンシーンだけ瞼の裏に焼き付いているような宿泊体験。きっと忘れないと思いますが、今後変わっていく可能性もあるので、この機会にその片手程度の宿泊施設の記憶を残しておきます。


小学生:二段ベッドよりも憧れたメゾネット

これは小学生のころの記憶。長野県の蓼科高原での宿泊です。

幼いころの宿泊体験はほとんど、建築家の父が仕事のお付き合いやインプットを目的として予定したものだった気がします。

そのため、仕事関係者との家族ぐるみの付き合い(に見せる)ための宿泊が多かったのですが、この宿泊は珍しく家族4人だけでの時間だったようです。

なぜ「家族4人」と思い出せたのかというと、宿泊した客室が強く印象に残っているから。記憶上は最初の、メゾネットのお部屋でした。

メゾネットとは、住まいの1室に2階分の空間を使っている間取りを指します。上下は内階段で繋がれています。

蓼科東急ホテル公式HP(客室:本館メゾネット)
https://www.tateshinatokyuhotel.com/

メゾネットのお部屋は、なんだかとても特別なものに見えました。高級感や、客室設備の充実度とかとは全く関係なく。それには2つの理由があります。

ひとつめ。
小学校低学年なら一度は憧れるんじゃないでしょうか、二段ベッド。兄弟がいてもいなくても、なんだか子どもの城みたいでワクワクしちゃう。

小学生当時のわたしには自分の部屋がありませんでした。兄弟はいたけど身体が不自由で大人のサポートが必要なため、同室を使って子ども部屋とするのも難しい。

マンション住まいの生活、かつ我が家のメンバーでは難しいレイアウト。宿泊先の1,2泊ならトライできるというのが本当に嬉しかったんです。メゾネットの2階部分には父とわたし、1階部分には階段を登れない兄と母が寝るかたちになりました。

ふたつめ。
単純に、宿泊施設で初めて出会ったメゾネットの客室だったからです。
父のことだから、宿泊施設は自身のインプットを兼ねて割と面白いところを選んでいたかとは思うのです。それでも客室は、幼いわたしにはどこも同じに見えます。ベッドがあって、テレビがあって、洗面とお手洗いとお風呂。

ベッドもテレビも洗面周りも同じく客室には設置されているのに、階段で繋がれて上にも広がる空間!これがわたしの自室だったらこんな家具を置いて…と空想に励みながら眠るのが、とても楽しかった。

ここ、蓼科東急ホテルでの記憶は、
宿泊施設の客室は一種類だけじゃないということ。


また、うっかり続いてしまうよ

メゾネットたのしー!しか言ってないですが、

自分の家族を持った今も、時々ロフトベッドやメゾネットの客室を探して泊まっています。あの当時の記憶とは比べられない。だけどそこを選んでしまうのは、当時のわたしを見ているように思わせてくれる我が子の反応が興味深いからです。

価値観を形成した、記憶に残る宿泊施設があといくつか。
うっかり続きます。

🏨前回記事はこちら


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