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切り絵作家、辻さんによるノウゼンカズラの表現
農家の庭先にノウゼンカズラが咲いていました。オレンジ色の花が初夏の青空に映えています。
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ノウゼンカズラは、フジと同じ、つる性の木なので、つるから密集して、たわわに花を咲かせます。花はラッパ型で、花びらがふっくらとしています。一日花なので、花はすぐに衰えて、短期間でしぼんでしまいますが、次々と新しい花を咲かせます。
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華やかで、一見、日本の情緒に馴染まない感じですが、平安時代に大陸からやって来た古参だそうです。かつて、奈良時代・平安時代の宮廷や寺社の建築物は、極彩色だったので、古代の都の風情によく合っていたことでしょう。
画像は、切り絵作家、辻さん(表題画像)による「ノウゼンカズラ」です。
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ラッパ形のふっくらとした花が、たわわに咲いているのが、よく描写されています。切り絵の影によって花びらの肉厚感が強められています。切り絵には色がないのですが、つぼみが次々と開花して行く、勢いのある躍動感がよく表現されています。
花をクローズアップして見てみると、特徴的な、おしべ・めしべ、と、花びらの中を通る脈管があるのがわかります。
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辻さんの作品では、それらが忠実に再現されていたので、作家の観察眼と描写技術にびっくりしました。