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ミカコさん4

瀬戸内海に面した岡山は、日本一晴天の日が多い、「晴れの国」です。
岡山県南西部、寄島町は、晴天に恵まれた気候風土で麦畑が多くあり、その麦わらを使って、麦わら帽子の製造が盛んでした。しかし、世の中が競争社会になるにつれて、価格競争が生まれ、他の製造業と同様に、製造コストが安い海外に工場を移転する会社が相次ぎ、地場産業は衰退してしまいました。

帽子製造を家業とする家に生まれた、「有限会社 柏原」の柏原久隆さんは、そのような逆境のなかで、日本の職人の技術と感性による made in Japan の「ものづくり」にこだわってきました。しかし、輸入品の数倍のコストがかかる国産の製品は、顧みられなくなりました。過日、全国展開をしている大手ショッピングモールの企画で出店するも、製品はまったく売れなかったそうです。

そんな柏原さんの作品達が、伝説のセレクトショップdouce(ドゥース)と出会いました。douceが入居する岡山市の高層商業施設・クレド岡山は、「心の自由」や「心のゆとり」をもつ、感受性豊かな人々が集う街です。そんな人々に向けて、douce・オーナーのミカコさんは、魅惑の展示をして、作品達を盛り立てます。

画像は、ミカコさんによる作品の展示です。

douce店内の柏原作品展示スペース

そこには、弾み躍動する音楽性が感じられます。
麦わら色の帽子からは、かぐわしい太陽の香りがするようです。
染色された帽子は、高貴な花々の様に見えます。
それぞれの帽子には、先端から様々な向きに放射するベクトル、すなわち、運動感覚が感じられます。
素材の触圧覚も表面から放たれています。

まさに、人の「五感をくすぐる」展示です。

それに加えて、ミカコさんは、作品の素材や製造過程を柏原さんから取材して、職人の心を丁寧に顧客に伝えます。

柏原さんが丹精込めた作品は、ひとつ、また、ひとつ、と巣立って行きます。
筆者も家族のために作品を求めました。

筆者が購入した作品
バオ草というココヤシの芯をブルーに染色した素材を角っぽく成型し、同色のリボンをあしらっている。

人と人とをつなぎ、感性を豊に育んでくれる人、

そ・れ・が、ミカコさん。

(2022年7月10日)

つづきは、こちら

追伸1
douceの各展示スペースは、ミカコさん自身のお部屋を彷彿と想像させます。
いくつか、展示空間を紹介します。

まずは、ミカコさんの居室という感じのコーナーです。

エレガントでやさしく深い、アートに包まれた空間です。

つづいては、ミカコさんのクロゼットという感じのコーナーです。

シックかつ活発なミカコさんの多面的な横顔がうかがえます。

douceの試着室には、壁にマティスの油彩画のような、鮮烈で理知的な絵が飾られています。

ミカコさんが気持ちを整えるお化粧室という感じです。

筆者は、ミカコさんの目指しているコンセプトは、心豊かに生きる、感性豊かな自立した大人である、と感じました。
(2022年7月10日)

追伸2
本日の帽子の展示スペースです。

douce店内の柏原作品展示スペース

仲間が増えて、音楽性が濃厚になっていて、まるでオペラのためのフルオーケストラの様です。指揮をするのは、もちろん、ミカコさんです♫♪。
(2022年7月16日)

追伸3
本日のミカコさんの御姿です。

ミカコさんの後ろ姿

コンセプトは、「アフリカ」だそうです*。あでやかで美しい後ろ姿は、21世紀のクレド岡山に降り立った、「見返り美人**」のようです。
(2022年7月16日)

*作・加藤 喜代美(岡山県赤磐市)
**菱川師宣(17世紀)東京国立博物館・蔵

クレド岡山では、加藤喜代美さんによる「アフリカンプリントのワンピース展」が開催されていました。

アフリカンプリントのワンピース展(クレド岡山3階催し会場 2022年7月12日〜7月31日)

番外編
“ミカコさんの居室”は、シーズンを先取りしていました。

“ミカコさんの居室”

(2022年7月23日)

さらに素敵になりました。

(2022年7月31日)

ミカコさんの居室に萬田久子がいました。

ストールの掛け方を変えて密やかにして、アクセサリーを外して、バッグを小さなものに換えることで、あの、明るく輝く顔立ちで、スレンダーでコケティッシュな萬田久子が見えるので、びっくりです!
(2022年8月6日)

追伸4
douceの帽子コーナーは、一足先に晩秋から冬への装いになっていました。

柏原作品の展示スペース

(2022年9月17日)


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