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平松依里子さんのペンスケッチ画による倉敷の新しい魅力の掘り下げ

扉の画像は、画家の平松依里子さんです。平松さんは、ペンスケッチという技法で、瞬間的に感じ入った風景を下書きなしで即興的に描き、作品にされています。地元の倉敷に密着して活躍されていて、日々、芸術文化都市・倉敷の新たな魅力を掘り下げ、発表されています。

倉敷の観光スポットである、倉敷美観地区とその周辺は、いわゆる表庭に相当する倉敷川両岸の通りと、

倉敷川両岸

裏庭にあたる本町通りに分かれています。

倉敷本町通り

両方の通りは、観光案内やテレビのロケでよく紹介され、見慣れた光景になっていますが、両方の通りを結んでいる細い路地にも、知られざる味わい深いスポットが多くあります。画像は、平松さんによって見出された、魅力的な路地の風景です。

平松依里子・作「夕暮れ暮れてまた明日」2021年 筆者・蔵

さっそく、この風景を探しに行ってみました。

美観地区の各所に設置してある、鳥瞰図絵師、岡本直樹さんによる倉敷鳥瞰図によると、両方の広い通りを結んでいる細い路地があるのが判ります。

岡本直樹・作「倉敷鳥瞰図」

この路地を、倉敷川側から覗いてみると、鳥瞰図の通り、本町通りまで見通せます。

倉敷川側から本町通り方面を覗いた風景
(この風景は倉敷市総合パンフレットの表紙に使われたことがあります*)


本町通り側から見ると、倉敷川側が見通せます。

本町通りから倉敷川方面を覗いた風景

さっそく路地に入ってみました。

鳥瞰図によれば、路地は、途中が十字路になっています。十字路の周辺を散策していると、ついに平松さんが描いた風景が見つかりました!

平松さんが描いていた路地

平松さんのペンスケッチは、この感動の瞬間を忠実に描写し、追体験させてくれます。

何度も現地へ写生に通ったり、現地のスケッチをもとにアトリエで丹念に仕上げる通常の絵画を、五七五七七の短歌と見なすならば、平松さんのペンスケッチは、五七五の俳句という感じです。
短歌がしみじみとした息の長い叙情を表す世界なら、俳句は、この時の体験のような、瞬間的に息を止め、乾いた身体に染み渡る情感を味わう芸術、と言えましょうか。

これからも、平松さんの活躍が楽しみです。

つづきは、こちら


追伸
先日、絵を受け取りに名曲喫茶「時の回廊」に行って、平松さんと直接お話しする機会がありました。平松さんはとても麗しく、素晴らしいお人柄の人でしたので、その印象を似顔絵にしてみました。

*倉敷市総合観光パンフレット

倉敷市総合観光パンフレット 倉敷 KURASHIKI


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