「排除アート」をご存知ですか?
コラム731:「排除アート」をご存知ですか?
「排除アート」、「排除ベンチ」と呼ばれるものがあります。例えば、公園のベンチの真ん中に仕切りをもうけて、寝転ぶことができないようにしたり、腰掛けられるような場所に、わざとミニ柵を置いて休めなくしたりすることを言うようです。
いずれも、ホームレスの方が休めないようにしたり、通りすがりの人が休憩したりしないように、意地悪をするものです。自治体がやることもあれば、私有地の所有者が設置する場合もあります。
私は、足が悪いので、けっこう、休めるところを探しながら歩きます。でも、首都圏は冷たくて、いきなり怒られることすらあるのです。一度などは、銀座で、急にかかってきた電話に対応するために、ビルの階段に座ったところ、すかさず「管理者」を名乗る若造が出てきて、「座り込みはやめてください」と言われました。ペインクリニックが入っているビルなのに、なんだよ、と思いました。事情を話しても取り付く島なし。腹が立ちます。
ホームレスをなくそうとする努力もなしに、追い出そうとする自治体も狂っているし、少しの休憩もがまんならないと思う人々も、思いやりがなさすぎます。「排除ベンチ」は、活動によって撤去される例もあるそうですが、排除アートは個人のものが多いので、対策ができません。
マザー・テレサも来日の際に言っていたように、孤独で心が寂しい人が多すぎます。もっと、想像力と思いやりをもって、世界に向かわなければ、自分が孤独のうちに閉じ込められてしまう、と危機感をもちました。
2023年12月15日
クララ
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