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パリ ご近所物語

革命を起こす

夕食時にアパートの住人のスペイン人のマダムが「お宅のセントラルヒーターはちゃんと温かいか?」と尋ねてきた。
何故そんなこと聞くかというと、私たちの住むアパートは寒い季節になると一斉にセントラルヒーターがオンになるはずが、どうやらマダムの部屋は温かくないらしい。
うちも一部のセントラルヒーターがほんのり温かいけど、オンとは言えない温かさであることを伝えると、一部の家はちゃんと温かいから、セントラルヒーターが機能していない部屋を確認して管理人にクレームを入れるらしい。

まだ本格的に寒くなっていないけど、確かに去年、私たちの家だけ効きが悪くてブルブル震えながら過ごした時があったから、こうやって動いてくれる人がいると大変ありがたい。
やれやれと夕食に戻って彼に、「我が家のヒーターが動かないんです、と言うだけじゃ動いてくれないからみんなに聞きまわってるんでしょ。さすがフランスだね」と言うと、「うん、フランスは革命を起こさないと動いてくれないと今も思っているからね」と言われる。

そういえば、半年以上、埋め込み式の電球の交換をしに来てくれなかった時も、いつもは穏やかな彼が管理人に「いいかげん業者呼ばないと家賃を払わないぞ!」と家賃ストしていた。

そんな感じで大袈裟に騒がないといけないのはしんどいけど、「フランスでは生きてる実感がするよ!」と言っていた友人の言葉を思い出しました。
そして、これを書いた数日後に別のフロアの男性もまた「お宅のセントラルヒーターは温かいか」と訪ねてきた。
あれから1ヶ月経った今、ようやくセントラルヒーターからじんわりと温もりを感じるようになりました。

あまりに寒くてH&M homeでブランケット買おうか悩んだ

突撃訪問

自宅に一人でいる時、誰かが尋ねてくると、そーっと覗き穴を確認してドアを開けている。
ギシギシー!と床がめちゃくちゃ軋むから、家にいることがバレて結局開けるんだけど。
引っ越した当初は何故か変わった訪問が多かった。
ある時は、高校生くらいの爽やかな青年が「友達と誕生日ケーキを作るので小麦粉を少しわけてくれませんか」と訪ねてきて、何その可愛い話!と思い、小麦粉を渡すと、数時間後にペシャンコになって返ってきた。

とある別の夜は、ワインオープナーを貸してくれませんかと尋ねてきた女性もいて、「何ここ昭和?」と彼に聞くと、彼はそういう体験がなく、何故か私が一人の時によく起きるらしい。

そんな中、一番困ったのは、突然ピットブルがはしゃいで家に入って来たこと。
喜んでベッドルームに入ってしまって、この突撃訪問は犬好きの私でもさすがに困りました。

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