「雨の日が好きな人」佐藤まどか作を読み終わるまでに時間がかかりました……📚📚
読み始めて、少しして、もしかしたら主人公のおねえちゃんのいるところは私のよく知っている空間かもしれない。と思ったら、どうしよう、よく知っている子どもたちに会ってしまうのではないかと不安になりました。
私はむかし、リハビリテーション病院の中にある重度障害者施設で働いていました。
だから、幸ちゃんのような子どもが成長した姿を知っています。
自分にも障害があるので、幸ちゃんの気持ちは子どもの頃の自分と重なって、うん、うん、とうなずきながら読みました。
おとなになれずに亡くなった子どもたちも見てきました。
記憶をたどりながら、読みました。
そして、自分はあまり他人の家のことを考えない人間になっていました。
人にはいろんな事情があるから、こちらから、あれこれ聞いてはいけない、と思っていたのです。
だから、ケアマネの仕事に就いてからも必要最小限の事しか聞いていなかったのではないかと、やめて何年も経つ今でも考えてしまうことがあります。
子どもの頃に心を許せる友だちがいたかどうか思い出せません。まわりに健常児しか、いなかったので、あまり真剣にかかわってこなかった気がしています。
おとなになってからのほうが心を許せる友だちができた、と思います。
なんだか人生を振り返った気もちになりました。