見出し画像

なぜ重要な仕事ほど賃金が安いのか? ”ブルシット・ジョブの謎” #1

最近読んだ本の中で面白かった本があったので適当に記載します。

今回の本は『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでいもいい仕事はなぜ増えるのか』という本です。

元々は『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』という海外の方が書いた本があるのですが、その翻訳者が要約したり解説を加えたりしている本が上記の『ブルシット・ジョブの謎』になります。

ちなにみ原本である『ブルシット・ジョブ』の方も読んだことがあるのですが、
海外の人が書いた本らしく、具体例とかがひたすら書いてかさ増ししてあり、書いてあることは面白いもののやたらページ数が長い本という印象くらいしか残ってなかったです。

他の本も含め、最近は気になるページは写真を撮って保存しているのですが、ほぼ写真も撮っていませんでした。

なので今回の『ブルシット・ジョブの謎』を読みながら、そんなこと書いてあったなと思い出す部分もあったのですが、議論がマルクス主義とかにも及んでいて、そんな深い議論あったんだっけ?などと、勉強になった部分の方が多かったです。(原本にも書いてあったのかもしれないですが)

どちらか選べと言われたら、個人的には今回の『ブルシット・ジョブの謎』をお勧めします。


重要な仕事ほど賃金が安いのはなぜか?

本書の中で個人的に勉強になった点を記載します。

今回は「重要な仕事ほど賃金が安いのはなぜか?」という、世間でもよく言われている謎についてです。

社会にとって本当に必要な仕事ほど賃金が安いと言われています。これは日本だけではなく海外でも共通のようです。

例えば、教師とか工場や現場で働いている人は、その人たちがいないと世間が成り立たないにも関わらず、一般的に賃金が高くはありません。
一方で、そういった人たちを管理しているような人は、その人たちがいなくても世間は回るのに、相対的に賃金は高くなっています。

その理由について、本書では以下のように記載があります。

(1)労働はそれ自体がモラル上の価値であるという感性がある
(2)それが有用な労働をしている人間への反感の下地となっている
(3)ここから、他社に寄与する仕事であればあるほど、対価はより少なくなるという原則が強化される
(4)さらに、それこそがあるべき姿であるという倒錯した意識がある

第7講「エッセンシャル・ワークの逆説」について

要するに、人間だれしもが社会的に価値がある仕事をしたいと思っているが、価値のない仕事をしている人(往々にして決定権がある人)が、価値のある仕事をしている人へ反感を持ち、後者の賃金が低くなるということだと理解しています。


上記理論が正しいかは別として(間違っていると言っているわけではないです)、個人的な経験を記載すると、

私が以前いた会社はグループ会社全体の中でも親会社に位置する会社だったのですが、口では「現場が重要」「お客さまとの接点が重要」とよく言っていました。

一方で、その「現場」や「お客さまとの接点」は親会社社員がやらず、関係会社(相対的に賃金が低い)にやらせていました。

そんな状況だったので、新入社員だった頃は「そんなに重要なら、なんでウチの社員がやらないの?ウチの社員の方がクオリティ高くできるでしょ?」と素朴に疑問を持っていました。


上記に関してこの本を読んで改めて思ったのですが、
「あなたたちはグループ会社全体にとって重要な仕事をしています(=だから賃金が低くても頑張ってください)」
という、賃金が低い人たちを納得させる・モチベーションを保つための材料として「現場が重要」「お客さまとの接点が重要」という言葉が使われているのではと気が付きました。


本書の記載とは「反感」の有無や論理立てが若干異なりますが、
「重要な仕事ほど賃金が安い」を支える構造の一つとして、上記のような言葉が使われているのでは改めて思った次第です。


今回は以上になります。
他にも気になる記載が本書にはあったので、後ほど適当に記載したいと思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?