進行不可の失敗した話
久々に人にマジックを見てもらおうと思い至りました。
最近は種を覚えるより手品の歴史や手品師エッセイ本などに夢中になっていたので技術的なことはほぼ進歩がありません。ですが、ついこの間簡単なマジックをひとつ覚えたので人に披露する感覚が完全に錆びないうちにそれをやってみようと思ったのです。
相手はお馴染みの後輩。
もう安心して見せれる後輩であればいらぬ緊張はなくなってきました。
昨日一応復習したし、まぁ大丈夫やろと軽く披露する気持ちでいました。
席についてもらい、マジック開始。手順は半分くらいまできたところ
「これを広げると~」
と得意げにズバッ!!とスプレッドした瞬間に
見えたらあかんものが出た。
一瞬、なんとかリカバリーできないかと考えました。
できないですよね。
見えてんだから。
あーっ!!と叫びながら猛スピードで回収。
「なんですか!え!」と戸惑う後輩
「失敗した!!でへへへへへぃ!!」
とテンションだけで仕切り直し、最初からやらせてもらうことに。
「な、何が失敗だったんですかぁ!!」
って後輩が言ってたので、なんかセーフだったのかもしれないセーフだとおもいたい。セーフということにしてくれたのかもしれない。セーフであれ。
2度目。
なんと同じところで同じ失敗をして一回目よりも迅速に回収したのち
「……ちょっと確認します!!」
と確認に入る始末。
軽くパニックで、自分がやったセットアップも信用できなくなってくる始末。机の下でこそこそと通しの確認をしたのちに、デックをファンしたり閉じたり無意味な反復動作で心を落ち着けてから3度目の正直。
3度目はさすがに、さすがに、成功しました。
そして、驚いてくれました。そう、驚いてくれた(くれた)笑
失敗を面白がってくれてたらありがたいけど、そうでなければめちゃくちゃ気を遣わてしまってますね。
絶対あかん、喜んでもらうつもりが、こっちが接待してもろとる…!!
ありがとねと何度もお礼を言ってその場は締めましたが、心残りがすごい。こんな日は必ずお布団でエンドレス反省タイムがきてしまいます。
過去、別のタイプの派手な失敗はあっても演目が止まってしまう失敗するのは初めてなのでちょっと強めに凹んだというか、悪い意味でも良い意味でも緊張感がなくなってきてたせいかな…と反省しました。
しかし緊張うんぬんの問題ではなくて、どんなコンディションであれ様々な確認作業をちゃんとするようにしないといけないな…と心に刻みました。
手品のスキルはほぼ無いようなものだし、できる演目だって限られているし、今限られてる中でやれるだけのことくらいはちゃんとできないと自分が後悔するなぁとしみじみ感じます。
人の時間だってもらってるわけだしね。
これを呟いた際にTwitterや配信などで話を拾ってくださった先輩方は失敗は誰にでもあるよと優しく、また、面白く教えて下さったりして早くに立ち直ることができました。
先輩方、いつもありがとうございます…!
失敗のおかげで新たに見えた部分もあり、しっかりそのへんは考えようと思います。
あとは改めて、失敗を様々な形でリカバリーできる方や、笑いへと昇華できる方はすごいなと思いました。
せめて自分は失敗してもラフな空気を崩さない、気を遣わせない雰囲気作りを目下の課題として考えていきたいです。