マジック書籍感想5 そもプロ!
そもプロこと
「そもそもプロマジシャンというものは」
藤山新太郎氏の本です。
藤山さんのブログが面白くて最近は毎日見に行っている。永遠に読めるとおもうほどに軽快な藤山さん節、たまらんのです。
そもプロは基本的な手品への心構えみたいな話から、プロたる者は、というような難しい話まで様々書かれていて、私にはとても追いつけないような部分もあったのだけど、それも含め楽しく読みきってしまった。
マジックのタネなどが載っているわけではなく、「心構え」のお話が多く、こう、私のようにその世界を蚊帳の外から覗き込ませてもらってるような者にとっては全てが興味深かった。
中でも面白いと感じたのはマジシャン3分類+一人マニアの話。
マジックする方々を見ててうっすら感じてたスタンスの違いのようなものに答えを出してもらった感じでスカッとした。
自分もどれかに分類されるのかなと考えながら読んでいたけど、そもそもそんなにスタンスがはっきりするほどこだわりがまだ育っていない。と思った。
しかし昔やってた音楽にちょっと共通するとこがあると感じもした。
私の先生はエンタメ型だったが、自分は一人マニアだったから感覚的にわからんことが色々あったなあと思い返していたりして。
(タイプは違えど先生を尊敬してるには違いないよ)
当時は「音楽習いにきてるだけなのになんで人前で発表とかせなあかんの」ってそこからして疑問だった…
今ならちょっとは意味がわかる。
人前での演奏、セッションでのコミュニケーションの大事さ、準備の手順、楽屋の雰囲気、自分だけでは絶対に経験できないことづくし。本当にいい経験をさせて下さったのだと思う。
もう10年以上まともに楽器を触っていないから、少しも弾けなくなってると思うけれど。
今、手品を通して「この感覚経験したことある」と、記憶が掘り起こされることが多くて、当時の音楽の先生がそのとき何を与えてくれてたか、表現のあり方とは、をめちゃくちゃ考えるようになった。
と、そもプロを読みつつ記憶を沢山掘り起こしたり、ふけったりしていた。
そもプロはマジシャンのお話とはいえ、なんらかのプロになる人に共通する話も沢山書かれていると思う。
自分もある道でプロを目指していたことはあるけれど、それで色々悩んでる当時に読んでたら刺さりすぎて読めなかったかもなあと思う。
今でも刺さってくる部分はあるけれど、なんとか俯瞰を保って読み切ることができた。(逃げずに読めたことは大事だと個人的には思っている)
読み終えることが寂しいとおもえたほど好きな本です。