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1月21日「1年前に食べていたもの」

「土曜日はチャンス」と勝手に思っていたが、あっけなく散る。明日はもともと行こうとしていたvoidには行かなくなり、つまりは会おうした人たちに会えないのだけど仕方ない。仕事がある。誰からもありがとうと言われなくても、当事者としての仕事があるから仕事する。当事者のFさんは強い。私は脆い。さぁどこまでやれるのか。そんなの分からない。元同僚から、「強いと思っていたけど、ギリギリのところで耐えていたんだね。」と言われたのを思い出した。私が立っている場所がカップの淵のようなギリギリのところなのかは知らないが、今回はギリギリなことは本当なんだと思う。

朝出勤すると、ジージャンを着た姫が見えた。見えた瞬間に気持ちが明るくなった。いるだけで明るい光が差してくる人というのはなかなかいない。かばんがかわいいと言ったら貰い物だと説明してくれた。午前の仕事を終えて、午後からも残業。作業の前に休んでいた同僚Mさんが散歩途中で職場へ寄っていた。嬉しくて抱きついたら「まだ治ったばかりだから」と制御される。あぁ、ごめんと思いながらあとずさり。まだ本調子ではないだろうが顔を見れてよかった。1週間ぶりだった。「布団が友達」とLINEで送られてきたときに、言葉のセンスに思わず笑ってしまったのは不謹慎な気がして言わないでおいた。落ち着いたら言うかもしれないが、今じゃないなと思った。午後からは小学校で使うパワーポイントを作っていた。集中しているときにガチャンという音がしたので振り返ると先輩が入ってきた。どうやらいろいろと心配をしてくれたらしい。仕事が溜まっている私は「なんとかなるかなぁ。」なんて言いながらありがたさでいっぱいだった。帰る前にもう一度ドアを開けて「じゃあおつかれ」と言われたので、「お酒飲み過ぎに気をつけてくださいね」と言ったら「そうやな」と笑っていた。来週大事な仕事があるので私が言わなくてもハメを外すことはないだろうが、言いたくなって言ってしまった。「心配」をしたかっただけだ。そんなの要らないだろうけど。

15:30過ぎに仕事を切り上げた私は買い物をして家に帰った。まともな昼ごはんを食べておらず、おやつとしてシュークリームを食べた。先輩のTさんが「美味しいもの食べてな」と言っていたので好きなものを食べようと思って谷町6丁目で間借り営業しているカオソーイの店へ行った。お店へ行くと列ができており、村上春樹の本を読みながら進みを待った。村上さんは変態さを隠さない小説家だと思いながら無になって読み続けていたら自分の番がきた。1年ぶりのカオソーイ。アジアご飯は大抵好きやけど、めちゃくちゃにうまい。最高やった。食べたあとは幸せでお腹いっぱいになった。食べている間だけ、私は忘れたいことを忘れていた。

寄稿した同人誌の自分の分が届いたので中を確認すると字の間違いが1つあり。しかしそんなに気にならない程度なのでまあよし。仕方あるまい。「仕方ない」が重なりすぎると良くないけれど、久しぶりにFさんのことを純粋な気持ちで思い出せたのがよかった。これは多分、成長だ。会わなくなって、もう10年が経っていた。

去年に引き続き。文章の仕事は2回目。


「Fさんとの共存」


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