⑫悪い予感ほど的中する説と今後
数日後の午後に郵便書留が届いた。
何度も見た、某大学からの面接結果を伝える封筒だったが、今回は速達ではなく書留で、しかもいつもは午前中なのに今回は午後にやってきた。
嫌な予感を抱き開封すると、中には不採用を告げる紙が入っていた。
きっと、午前中に速達で到着なら採用・合格で、午後の書留なら不採用・不合格だったのだろう。
あのメンバーでの面接じゃ仕方ないよな…と思いつつ、2か月近く費やして頑張ったのにな…と残念な気持ちでいっぱいで、不採用の悔しさというものもようやく味わった。
(第二の)第一志望だったのに落ちちゃって、しかももう夏なのにこれからどうしよう。また受ける会社を探さなきゃ。
同時にそんなことも考えた大学4年の夏。
紙切れ1枚で告げられた不採用。
これで大学職員の道は途絶えてしまった。
きっと、同じように紙切れ1枚で採用を告げられた人達もいるのだろう。
その人たちにとっては重い1枚かもしれないけれど、私にとってはペラッペラの軽いただの紙切れだった。
そして、不採用の原因は、採血での醜態や採血後の発言ではないといいなとぼんやり思った。
友人達は次々と内定を勝ち取り、学生生活最後の夏休みを惜しみなく楽しんでいた。
それぞれ目指すところも何もかも違うのだから、みんな一緒というわけにはいかない。
内定をもらえる人がいればそうでない人もいる。
でもそれは「今この時点」でのこと。
内定をもらうまでやらなくては、終わりは来ないのだ。
通常ならここで気持ちを切り替え、心を燃やすのだろうが、私の心の中の第一声は「めんどくせえー」だった。
もし私が超難関大学の学生だったり、誰もが二度見してしまうほどの美しい容姿だったら、もっとラクに内定をもらえるのかな…。
実家や親戚が会社でも経営していてくれれば、そうでなくてもどこかの会社にコネを持っていてくれればよかったのに…。
そんなことも何度も思った。
何をどうしたら内定を得られるのか。
このまま内定をもらえないまま卒業になったらどうしよう。
答えが分からぬまま、先も見えぬまま、4年生の夏休みを迎えたのだった。