年齢と自覚
65歳というのは若者の尊敬と思いやりを受けるに足る年齢だが、実際にその年齢に達した者は、かならずしもそれに気づかされることを好まないからである。
この文章は、エリス・ピーターズ 修道士カドフェルシリーズ20『背教者カドフェル』岡 達子訳 光文社より
先日も書いた12世紀 修道院を舞台に起こる歴史ミステリーです。題名のカドフェルが主人公の修道士で、この65歳というのがカドフェルです。
私はこの本を10年前に読んだのですが、その時には歴史ミステリーとして面白く読みました。そして今回読み直してみると自分とカドフェルを重ねて考えています。(年齢的にカドフェルに近づいた)
12世紀の時代から考えれば65歳が若者の尊敬と思いやり受けるに足る年齢とは、今でいえば70~75歳くらいでしょうか。
では今の60~65歳を周囲はどう見ているでしょう。多くは仕事を退職する年齢ですが本人はまだまだ仕事ができると考えている…場合が多いですね。
老前整理をはじめてから気づいたことですが、男女の違いはここです。そろそろ老前整理を始めようかと意識する年齢に男女差があります。女性よりも男性は10年遅い、これはまだまだ働ける、現役だという意識が強いからで、妻に片づけを勧められても「老前整理はまだ早い」となります。
この点で、上の文章を取り上げました。男性に老前整理を勧める場合には、このプライドを傷つけないことが大切だと思っています。
こんな風に年齢と本人の自覚には隔たりがあります。男性だけ、シニアだけでなく、皆さんもたぶん同じではないでしょうか。ただすべてが悪いわけではなく、気持ちの若さは気持ちや活動に影響を与えます。時々、客観的な自分の年齢について考えてみることも必要だなと思いながらこの本を読んでいます。
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