ときどきエッセイ
18世紀の人生すごろく
ヴォルテール『カンディード』
ヴォルテールの『カンディード』を読んだ。古典新訳文庫(光文社)、斎藤悦則訳。古典新訳文庫はKindleunlimitedのに入っているのがありがたい。いつでも気が向いた時に、これまで名前しか知らなかった名作を読むことができる。
読み出して驚いたのは、とにかくペースが速いこと、タッチの軽いこと。カンディードは気立のいい貴族の若者なのだが、始まって数ページで育った城を追い出され、軍隊に捕まって棒叩きの刑を受け、戦場に駆り出されて逃げ出し、物乞いになって窓から便器の中身を浴び