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部活動地域移行を考える(1)

前回投稿した「部活の思い出と未来の部活動地域移行の展望」を受けて、文化部の部活動地域移行に関連するニュースやレポートなどを備忘録として、note に記していきたいと思います。運動部の地域移行はけっこう進んでいて、ニュースにも取り上げられています。YouTubeを検索するといろいろ出てきます。今回は、文化部のニュースを取り上げます。

●部活の地域移行 7人の吹奏楽部と地域の人たち(yab山口ニュース:2022/12/05)

この動画は、部活動の地域移行というテーマに焦点を当てたもので、具体的な事例として山口県の中学校の取り組みが紹介されています。部活動の地域移行とは、従来は教員が担っていた部活動の指導を、地域の人々に委ねるというものです。これは、教員の長時間労働を是正し、少子化による生徒数の減少といった問題に対応するための改革の一環です。

動画では、山口県内の3つの中学校(周南市の秋月中学校、防府市の牟礼中学校、美祢市の美東中学校)での実践研究が紹介されています。その中で、美東中学校では地域の指導者が休日の部活動を担当するようになりました。保護者が学校に集まり、池田校長から教員の不足、少子化の問題などが説明され、美祢市の教育委員会からは前例がない取り組みであることが説明されました。地域との連携が重要であるという認識が共有されましたが、地域の指導者と学校側の指導方針の違いが生徒に混乱をもたらしていることが課題として浮かび上がっています。

美東中学校の吹奏楽部は、部員数が減少する中で、地域の指導者と共に活動を続ける様子が描かれています。部活の地域移行により、地域の人たちとの合同練習を行っています。3年生の北村君は、地域の指導者と顧問の先生の教え方の違いに戸惑いを感じていた一方で、最後の演奏を笑顔で終え、練習の成果を実感していました。

部活動の地域移行により、さまざまな課題はありますが、地域との新たなつながりが生まれることの意義が指摘されています。最終的には、子どもたちにとって最も良い形での地域移行が確立されることを期待しているというメッセージで締めくくられています。

●指導者137人確保 部活動“地域移行” 長野県内初「行政主体で受け皿」 千曲市・坂城町が「地域クラブ」運動系・文化系15の部活動を5校合同(NBS長野放送ニュース: 2023/04/29)

この動画では、長野県千曲市と坂城町が共同で立ち上げた「千曲坂城クラブ」を通じて、部活動の地域移行に取り組んでいる様子が紹介されています。この取り組みは、少子化や教員の働き方改革を背景に、学校単位での部活動の維持が難しくなったことを受けて行われています。特に地方では、部活動を移行させるための受け皿となるクラブや団体が不足しており、これが最大の課題とされています。

千曲市と坂城町は、県内で初めて行政主体で受け皿を作り、「千曲坂城クラブ」を立ち上げました。このクラブは、運動系と文化系合わせて15の部活動を一つの枠組みに統合し、5つの中学校の生徒が合同で活動する形で運営されています。クラブの指導者は、会社員として働きながら地域で吹奏楽団や陸上部のコーチを務める人々などが務めており、地域移行に向けた指導者の確保が重要な取り組みの一つとなっています。

クラブの活動はまず休日からスタートし、参加した生徒たちは、最初は友だちができるかと心配していたが、他の学校の生徒と一緒に練習を行うなかで、友達を増やしていくなど、ポジティブな経験を得ています。一方で、クラブの運営には資金の確保も重要な課題として残っており、指導者への報酬や保険費用を自治体の補助金家庭からの年会費(3,000円)でまかなう計画です。しかし、補助金に頼ることは望ましい姿ではないとして、今後は企業の協賛なども検討されています。

将来的には、休日だけでなく平日にも活動できるクラブを目指しており、財源の確保が必要だとされています。このように、千曲市と坂城町は、行政主体で部活動の地域移行を進め、子どもたちがやりたいスポーツや文化芸術活動に取り組める環境を整えることを目標としています。

部活動地域移行に関する記事は、私のマガジンにまとめてありますので、ご参照ください。

部活動地域移行を考える(2)へつづく


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