他人のような祖父だったけれど
「家族愛」がテーマのあらゆる作品が苦手、とまではいかないが視聴前は必ず身構えてしまう。私と家族との関係はするすると滑らかなものではなく、だからといって殊更に悪いというわけでもなく。ただ、家族ひとりひとりとの関係は、ところどころ毛羽だって毛玉がついたコートのように手触りがあまりよくない。大事なコートだから捨てることもできないまま、クローゼットの奥に静かに寝かせてある。そろそろ毛玉と向き合わねば……と引っ張りだしてきては、うーん、と少し考えて、また明日でいいやと元の位置にしまいこ